八坂神社の初能奉納 2024年

八坂神社では1月3日に初能奉納がありました。

八坂神社 初能奉納 2024年

八坂神社の新春の恒例行事のひとつが初能奉納です。観世流と金剛流とが隔年で「翁」を演じ、今年は金剛流の順番でした。昨年は金剛永謹(ひさのり)氏が、いわゆる人間国宝(重要無形文化財保持者)となり、八坂神社の初能奉納も金剛永謹氏によって演じられました。

八坂神社 初能奉納 2024年

「翁」は、五穀豊穣、国家安泰、天下泰平を祈願する儀式的な内容で、特にストーリー性もない演目のため、能の解説サイトでは「能にして能にあらず」と書かれています。この演目の起源は能の初期であるために格式が高く、新年や祝賀祭などで好んで演じられています。

八坂神社 初能奉納 2024年

「翁」の演目では、まず露払いの意味合いで千歳(せんざい)がさっそうと舞った後に、翁面をつけた能役者が舞い、続いて狂言役者が演じる三番叟(さんばそう)が登場して、勢いよく掛け声を発しながら舞台を駆け回り、その後、鈴を振りながら躍動的な舞を舞って行きます。能役者が演じる翁は、千歳(せんざい)が舞っている最中に舞台上で面を付ける点が、他の演目とは大きく異なっているそうです。

八坂神社 初能奉納 2024年

人の声や演奏が作りだす、いわゆる幽玄(非常に趣が深い)の世界には毎回強くひきこまれるものがあります。一朝一夕の練習では作り出せない、この世界観が能の醍醐味なのでしょう。こうした素晴らしき伝統芸能が、もっと多くの人の目に触れてほしいと思います。

八坂神社 初能奉納 2024年

今回は三番叟は茂山千五郎氏が演じ、千歳はそのご子息の茂山鳳仁(しげやま たかまさ)氏が見事に務めておられました。こうして新しい世代にも経験が受け継がれていくのだとも感じました。機会がありましたら、能もぜひご覧になってみてください。

八坂神社 初能奉納 2024年

ガイドのご紹介

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京都検定1級に6年連続の最高得点で合格(第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として20年。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。BS朝日「あなたの知らない京都旅」、KBS京都(BS11)「京都浪漫」出演。特技はお箏の演奏。

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