1月3日まで、六波羅蜜寺で皇服茶(おうぶくちゃ)の授与が行われていました。
例年、京都の新年で訪れるお寺のひとつが六波羅蜜寺。梅干しと結び昆布の入った皇服茶(おうぶくちゃ)が有名で、寺伝では951年に京都で疫病が流行った際に、空也上人が十一面観音像を彫り、リヤカーに乗せて市中を歩いて、梅を入れて仏前に献じた茶を病人に授け、踊りながら念仏を唱えて疫病を鎮めたとされます。
そのお茶を村上天皇も服用したところから「皇服茶」の名で呼ばれ、広まっていったそう。六波羅蜜寺はその元祖として、正月三が日に300円でお札と共に授与されています。毎年飲みに来られる方も多く、京都のお正月に欠かせない行事といえるでしょう。近年は新型コロナ対策で紙コップでの授与でしたが、今年は久しぶりに茶碗でいただくことができました。
境内で授与される稲穂(福徳自在初稲穂)も京都の定番の初詣の光景です。稲穂には様々な引き出物を有料で付けることもでき、玄関の内側に飾って一年間の厄除けとします。稲穂をいただける弁天堂は都七福神の弁財天がお祀りされていて、その御朱印めぐりも人気があります。
皇服茶は弁天堂前の列とは別に、本堂を通り過ぎた奥に受付があります。また、2022年に新しくなった新収蔵庫の「令和館」も開館していました。12月の講座でも解説しましたが、空也上人像や平清盛像を始め、貴重な仏像群を拝観できます。そして2024年は12年ぶりに11月3日~12月5日の33日間、ご本尊・十一面観音像が御開帳されます。ぜひ、御開帳期間には六波羅蜜寺に訪れてみて下さい。
ガイドのご紹介
京都検定1級に6年連続の最高得点で合格(第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として20年。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。BS朝日「あなたの知らない京都旅」、KBS京都(BS11)「京都浪漫」出演。特技はお箏の演奏。
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