妙満寺の桜風景

岩倉の妙満寺を訪れました。「雪の庭」があることで知られています。境内はしだれ桜も綺麗です。

妙満寺 4月6日

妙満寺は、元は現在の京都市役所の北付近(寺町二条)にあった日蓮宗のお寺です。昭和に入って年々都市化が進んだため、都会の喧騒を避けるため、昭和43年に現在の岩倉の地に移って来ました。本坊にある「雪の庭」は、俳諧の祖と仰がれる松永貞徳によって造営されたといわれる雪月花三名園のひとつです。いずれも成就院というお寺に作られ、妙満寺成就院の雪の庭、清水寺成就院の月の庭、北野にあった成就院の花の庭とがありました。清水寺成就院の月の庭も、年に何回か公開されています。花の庭は2022年に北野天満宮の梅苑に復興されたことで話題となりました。

妙満寺 4月6日

松永貞徳は江戸時代初期に活躍し、妙満寺を会場として正式な俳諧の興業「雪の会」を催しました。これにより連歌から俳諧が独立して認められ、後の松尾芭蕉へも繋がって行きます。その意味では妙満寺は俳諧発祥の地ともいえるでしょう。この時の妙満寺成就院の住職が貞徳の門下生だった縁もあり、寺には「雪の庭」が造営されました。

妙満寺 雪の庭

上記のように雪の庭は、もともとは妙満寺の成就院にありましたが、岩倉への移転に際し、石組をそのままに本坊前に移されました。京都市街地よりも雪の頻度が高い岩倉に移ったことで、文字通りの「雪の庭」が見られる機会も増えています。一方で、緑の時期のお庭も素晴らしく、静かな眺めを堪能することができます。

妙満寺 4月6日

また、妙満寺は境内からの比叡山の借景も見事。洛北の比叡山の借景では、円通寺や正伝寺も知られますが、妙満寺が最も比叡山に近く、その分雄大さがあります。境内の建物が小さく見えるほど大きな比叡山には毎回圧倒されます。この景色は本堂への階段を上って振り返ると見られますので、忘れずに眺めてみて下さい。また、本堂では安珍・清姫伝説の鐘も目にすることができます。

妙満寺 サクラ山

この時期は境内奥のしだれ桜が綺麗で、穴場と言える場所。今年は近年整備をされた「サクラ山」の公開がJR東海の春の特別拝観で行われ(7日までで終了)、私も申込んで訪れました。

妙満寺 サクラ山

サクラ山は驚くほど広く見事に整備をされており、比叡山が眺められる場所もありました。これから多くの人に喜ばれる場所になるでしょう。美しい桜を眺めることができました。

妙満寺 サクラ山

ガイドのご紹介 吉村 晋弥

京都検定1級に7年連続の最高得点で合格(第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として20年。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。BS朝日「あなたの知らない京都旅」、KBS京都(BS11)「京都浪漫」出演。特技はお箏の演奏。

散策・講座のお知らせ

【散策受付中!】
4月22日(月)10時~12時半頃
建仁寺の牡丹とキリシマツツジ 鐘が音が響く知恩院の大鐘楼へ

【講座を受付中!】
奥深い京都へのいざない!マニアック京都講座
その8 「ゴールデンウィークの京都を楽しむ」

4月24日(水)14時~16時、18時半~20時半頃
4月28日(日)18時~20時頃
5月:京都 惟喬親王ゆかりの地、6月:愛宕神社と愛宕山

【散策受付予定】
5月11日(土)13時30分~ → 新スポット誕生!新緑が輝く建仁寺の「西来院」へ!
5月14日(火)午後 → 門跡寺院・妙法院の特別公開!
5月15日(水)9時半~12時 → 葵祭(16日予備日)

【オンラインサロン】吉村晋弥のマニアック京都サロン を募集中!

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