京都 早咲き桜の穴場


今回は京都の早咲き桜の穴場を簡単にご紹介します。

京都もだんだんとソメイヨシノが咲き進んできました。桜は開花が注目されがちですが、実はお花見の視点ではその後の気温の方が重要です。先日、北国の春はまとめてやってくると書きました。実は、開花から満開までの間も北へ行くほど短い傾向にあり、北海道では開花から満開までは2日~4日というのが普通です。急に暖かくなる年はさらに劇的で、昨年の旭川では、開花の当日に満開になるという前代未聞の現象も観測されました。まさに「花咲かじいさん」の世界のようですね。

京都で過去の記録を紐とけば、最速で1日で満開になったことがあります。3日で満開になったことも複数回あり、こういった年はお花見の準備もゆっくりなどしていられませんね。反対に開花後に寒くなると満開までの期間は長くなり、最長は2009年に観測された17日。この年は3月19日という記録的な早さで開花しながら、満開は4月5日というなんとも花が開かない年でした。これはこれで困ってしまいますね。

では、今年はどうか?今のところ、順調に開花している印象です。この先の気温も平年並みかやや高く経過する見込みですので、今週末には気象台から満開が発表されてきそうです。今年は開花も満開も早い年となりそうですね。ということで、各地で早咲き桜はほぼ開花してきました。どこを書こうか迷ってしまいますが、つれづれなるままに書いていきます。

私の好きな場所は、妙覚寺大門の枝垂れ桜。早咲きです。遅咲きではありませんのでご注意ください。妙覚寺の大門は聚楽第の遺構と伝わる風格のある門で、その前に立派に咲き誇る桜は本当に見事。上手く写真を撮れば、お城の一角で写真を撮っているようにも見えるでしょうか。

妙覚寺大門まで行かれたら、忘れずに覗いて頂きたいのが水火天満宮。創建は923年と、北野天満宮よりも由緒が古い天満宮です。その境内には早咲きと遅咲きの枝垂れ桜があり、境内を覆うように咲き誇ります。隣の公園で子どもたちが元気いっぱいに遊ぶ姿を見るのも微笑ましいですね。

上記二か所も穴場ですが、さらに超穴場を!と言われると、お勧めするのが聖護院。美しい枝垂れ桜が門と一緒に見られるのですが、なぜ穴場かといえば、門の内側に咲いているために、聖護院の外からは見えにくいためです。この桜をわざわざ見に来られる人は、地元の方か、相当な桜好きか京都好きな方ではないでしょうか。早咲き桜ですので既に満開です。

もう一つ、この時期の私のとっておきは真如堂。ソメイヨシノも見事ですが、その前に三重塔を覆い隠すほど見事な早咲き枝垂れが咲きます。西日が差す夕方ころが最も美しいと個人的には思っています。この桜は通常三重塔を見る方向の真裏に隠れるようにありますので、何も気にせずに境内に入っていくと見過ごすかもしれません。だからこそ、超穴場なのです。今日(25日)も、待ちわびた美しい景色に出会えました。人がワイワイといる中で眺める桜も悪くはありませんが、のんびりと眺められる京都らしい風景の桜もよいものですね。

また、哲学の道まで行かれたら、大豊神社まで是非行ってみて下さい。ちょうど枝垂れ桜が咲き始めました。枝垂れ梅もまだ残っていますので、あと数日は梅と桜の共演を楽しめそうです。大豊神社は狛ねずみでも有名ですが、この時期は椿の花飾りをつけていることもあり、とっても可愛らしいです。大豊神社の参道登り口にも立派な早咲き桜が咲いています。哲学の道のソメイヨシノはまだ咲き初めから三分咲きといったところです。

穴場とまでは言えませんが、是非書いておきたいのが六角堂の御幸桜。咲き始めは白く、だんだんとピンクが濃くなる珍しい桜で、どちらかというと白く見えている期間が2-3日しかないのが特徴です。ちょうど今日(25日)の段階で、ピンクと白の花が混在していて、とても不思議な咲き具合となっていました。また、今年はスズメが恐ろしい勢いで花の蜜を吸ってはポイッと花を落としていっています。このペースだとあと数日で花が全て落とされてしまうのではないかと危惧しているほど。この桜を見たいというかたは早めがよいでしょう。スズメにも困ったものですね。さて、桜の穴場。他にも色々と書きたい場所がありますが、今年もきっと書けないうちに、ソメイヨシノが満開となってきそうです。皆さんも、自分好みの桜を探してみて下さい。

お知らせ

桜を巡る散策を「らくたび」さん主催で行います。詳細はこちらをご覧ください。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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