東山の粟田神社では、粟田祭が例年と違う形で行われ、大燈呂も登場しています。
粟田神社の粟田祭は千年以上の歴史を持つ、見どころが多いお祭です。例年、剣鉾や神輿が出る神幸祭の前日の夜に行われるのが「夜渡り神事」。そこに登場するのが、大きな燈籠である大燈呂(だいとうろ)です。大燈呂は約180年前に途絶えましたが、2008年に京都造形芸術大学の協力で復活しました。学生たちが青森のねぶたをイメージして作った灯籠があまりに見事であったため、神社が依頼をして作成したそう。復活に際しては古文書を調べ、氏子への聞き取り調査も行って燈籠のテーマを決めるなどされているそうです。
毎年新作が登場するのも大燈呂の楽しみのひとつですが、今年は新型コロナウイルスの影響で京都の祭事が軒並み中止や大幅な縮小となっており、粟田祭や大燈呂も例年とは違う形となりました。神輿の巡行は中止となり、御神霊渡御祭という形式で唐櫃に御神霊をお遷ししての巡行となりました。また、大燈呂は例年の2分の1ほどのサイズで縮小して制作されて、神社の境内に展示をされています。祭神のスサノオと同一視された午頭天王と思しき存在が、新型コロナウイルスと思しき存在を握りつぶそうとしている姿が印象的でした。例年、神社にまつわるモチーフで大燈呂が造られます。こうして新作を見せて頂け、関係者の皆様に心より感謝したいと思います。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
京都検定1級に3年連続最高得点で合格(第14回~第16回、第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2020」監修。特技はお箏の演奏。