京都の週間天気予報では、12日頃から雨やくもりが予想されています。気圧配置としては、梅雨の時期と変わりがない状態となるため、近畿地方では過去最も早い梅雨入り宣言もありうる状況です。
5月の連休が終わったばかりではありますが、早くも本州では梅雨入りの可能性が出てきています。1951年の統計開始以降では、近畿地方の梅雨入り宣言の平年は6月7日頃、最早は2011年と1956年の5月22日ごろです。ところが、本州の他の地域で1963年にとんでもない記録があります。1963年の梅雨入り宣言は、東海地方が5月4日ごろ、関東甲信地方が5月6日ごろ、中国地方が5月8日ごろで、ダントツ1位の驚くべき記録です。この年の近畿地方は「梅雨入り時期が特定できず」という判定となりました。
梅雨入り(梅雨明け)は人為的に季節に境目をつけるものです。ですので「梅雨入りする」のではなく「梅雨入りさせる」というほうが適切ではないかと私は常々思っています。人間が季節にはっきりと境目をつけることは難しく、気象台も梅雨入りの発表について「梅雨の入り明けには、平均的に5日間程度の「移り変わり」の期間があります。」と、補足の文章を出しています。
すなわち、平年より大幅に早い梅雨入り・梅雨明けの宣言は、気象台としても出しにくいというのが心理でしょう。先々の予報は変わる可能性があるため、再び晴れ(梅雨明け宣言の場合は雨)の期間が戻ってくることもありうるためです。今年の場合は、8日時点での予想では、気圧配置としては5月12日頃から梅雨の時期と何ら変わらない状況となりそうです。梅雨入り宣言の価値のひとつは、「大雨被害が発生しやすい期間に入った」と世に周知させることにあります。その意味では、梅雨入り宣言を防災へ供えをする時期という視点で受け取ってもらえたら幸いです。非常に早いタイミングではありますが、1963年の記録(前例)を踏まえると梅雨入り宣言も視野に入ります。そうなれば近畿地方としては、最早の日付となります。どういった判断になるかは注目。いずれにしても、雨やくもりの日が増えてきますので、目先の晴れを有効にお使い下さい。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
京都検定1級に4年連続最高得点で合格(第14回~第17回、第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2020」監修。特技はお箏の演奏。
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