南禅寺 天授庵のお庭


南禅寺の塔頭(たっちゅう)、天授庵(てんじゅあん)のお庭は、
新緑の時期に非常に美しいお庭です。
塔頭とは、塔の頭(ほとり)という意味で、塔はお坊さんのお墓のことです。
もとは高僧が寂すると、弟子がその塔の頭(ほとり)に小庵(しょうあん)を建て、
お墓を守ったことに始まります。のちには、大寺院の高僧が隠退したときなどに、
寺の近くや境内に小院を建てて、没後も門下の人々がこの小院に住して墓塔を守り、
それも塔頭と呼びました。
時代とともに、次々と小院が建てられたために、
しだいにその数も増え、最盛期には100を超える塔頭を数える寺院も現れましたが、
明治の廃仏毀釈で大きく数を減らしました。
それでも京都には妙心寺の46を始め、東福寺25、大徳寺22と、
現在も多くの塔頭を残す寺院がいくつもあります。
特に、妙心寺や大徳寺の境内は、塔頭が密集していてまるで迷路のようですね。
さて、天授庵は南禅寺の塔頭の一つ。開山塔に当たります。
秋の紅葉でも有名ですが、新緑の時期のお庭も格別です。
入口が狭いので、ふっと入るのには冒険心がいりますが、奥行きが深いお庭。
東側は白砂で海を表す枯山水。そこから池の周りを歩く、
池泉回遊式のお庭へと続いて行きます。一つで2種類のお庭を楽しめ、
どちらも紅葉がとても美しいお庭。しかも人が少ない隠れスポットです。
・5月5日の散策では天授庵のお庭を訪ねます。
 蹴上浄水場と南禅寺の名庭を訪ねて

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