千本閻魔堂の普賢象桜


西陣にある千本閻魔堂(せんぼんえんまどう)で、遅咲きの普賢象(ふげんぞう)桜が見ごろを迎えています。

普賢象桜という名前は、花弁の中のおしべが普賢菩薩の乗る白い象の牙や鼻を思わせるところから名付けられました。古来、八重の桜は珍しく、室町時代には多くの人がこの桜を見に来たと言われています。後小松天皇は足利義満に桜の美しさを伝え、義満も桜の美しさに心を奪われたました。さらにはこの桜、散る時は椿のように花が丸ごと落下します。江戸時代、京都所司代は、その様を囚人に見せて首が落ちることを連想させ、仏の心を呼び起こさせたとも言われています。
桜のそばには、紫式部供養塔(重要文化財)と紫式部像があります。千本閻魔堂にはその由来となった閻魔大王像がまつられています。紫式部は創作の物語である源氏物語を書きました。つまり「うそつき」になってしまいます。と言うわけで、閻魔大王に地獄行きを告げられそうになるところ、閻魔大王に仕えていた小野篁(たかむら)に助けられたと言われています。
境内には小野篁像もあり閻魔大王に仕えるために通った井戸に入る時の姿。閻魔大王像は応仁の乱以降の作で、像も大きく、目が光って迫力があります。千本閻魔堂は、正式には引接寺(いんじょうじ)と言い、5月初めの念仏狂言やお盆の時期のお精霊(しょらい)迎えでも有名です。小さなお寺ですが見どころの多い場所です。

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