台風2号の動向と梅雨入り


さて、先日のブログにも記載しましたが、台風2号の北上が示唆されています。梅雨入りの発表も世間的には気になるところ。
まず台風2号。日本の方向に近づいてはきそうですが、進路はまだ不確定です。ゆっくり進んでくるのか、はたまた一気に近づいて来るのか、日本に近づくのか、あるいは離れて通るのか。その予想のバラツキが、予報円の大きさに表現されています。24日15時発表の進路予想でも、29日15時の予報円は日本を覆い尽くす程の大きさです。しかしこれでも、円の中に台風の中心が入る確率は70%しかありません。それはすなわち、まだ確定できないことを示しています。
さて、本日11時発表の京都の週間予報では、26日以降、雨や曇りのマークが並び梅雨の時期のような予報となっています。もしかすると、26日に近畿地方を梅雨入り「させる」かもしません。「する・しない」ではなく「させる・させない」で表現したのは、先のブログで記載したように、梅雨入り・梅雨明けの宣言には人為的な判断が入るからです。自然に境目を付ける行為は純気象学的ではありません(参考:5月の梅雨 卯の花くたしと若葉台風)。人為的であればこそ、梅雨入りを宣言するのは大変に勇気がいる行為だと思います。気象台は毎回頭を悩ますことでしょう。
近畿地方の平年の梅雨入り宣言は6月7日頃。1951年以降の記録を見ると、2008年に5月28日頃に梅雨入りさせており、最も早いものでは1956年に5月22日頃の記録もあります。仮に5月26日に梅雨入りさせると1991年に並んで過去2番目の早さとなりますが、2008年とは2日しか違わず、時期的な妥当性は主張できそうです。
ということで、このまま雨や曇りの続く予報ならば26日に梅雨入りさせそうなのですが、台風が日本の南を離れて通って行く場合などは5月末以降が晴れマークに変わる可能性があるため、26日の時点でその進路の確度が高ければ、あせらずに梅雨入りを見送るかもしれません。しかし、大雨への警戒を促す為に5月末の予報に関わらず早く梅雨入りさせてしまうかも、といった深読みもできます。
今回の結論は、いずれにしても明日25日の晴れは貴重な晴れで、梅雨入りさせるかさせないかは台風の進路と気象台のさじ加減によるところが大きいということです。梅雨入り予想は気象台の心を読むことにも等しく、天気予報とは別なものです。台風情報については、必ず最新情報をご確認ください。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として9年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。散策メニューはこちらから

「台風2号の動向と梅雨入り」への2件のフィードバック

  1. 今台風の最新情報をみてきました。
    どうやら直撃コースのようで。
    ところで台風の強さの表現(「猛烈な」とか「非常に強い」とか)って
    いまいちよくわからないのですが、
    具体的にどういう差があるんでしょう。
    その辺の解説もやってもらえるとうれしいです。

    1. >P太さん
      台風の強さにつきましては、先程アップした記事で簡単な解説を加えました。ピンと来にくい部分ですね。

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