3か月予報 2011年6月~8月


毎月25日は3か月予報の発表日です。今回は6月~8月の夏の予報が発表されました。今回の予報から、3か月予報でも10年ぶりに平年値が更新されています。近畿地方の3カ月間の気温予想では「平年並」と「高い」の確率が40%と最も高くなっています。
報道では「今年は平年より暑い」といったニュアンスで伝えられています。しかし「平年並」と「高い」の確率はともに40%です。ではなぜ「平年より暑い」と言えるのでしょうか。ポイントは「低い」の確率20%の部分。すなわち気温が「低い」に分類される確率はかなり低く、「平年並または高い」となる確率は80%もあることが分かります。
次に、それを踏まえた上で「平年並」の範囲に注目します。「平年並」に分類されるのは平年との気温差が「-0.1℃~+0.4℃」の範囲です。つまり、「平年との気温差が-0.1℃よりも高くなる確率が80%ある」ということになります。さらにその中でも、「高い」に分類される「平年との気温差が+0.4℃より高くなる確率は40%」となります。

  低い 平年並 高い
確率 20% 40% 40%
平年との差 -0.1℃より低い -0.1℃~+0.4℃ +0.4℃より高い

↓ ↓ ↓ ↓

  低い 平年並 または 高い
確率 20% 80%
平年との差 -0.1℃より低い -0.1℃かそれより高い

こう見ると、平年との差は+-0℃よりもかなり高い確率でプラスになりそうです。すなわち、今年の夏は「平年より暑い見込み」と言っても構わないでしょう。さらに、補足をすると今回から平年値そのものが更新されており、6月~8月の近畿主要都市の各月の平均気温は+0.1℃~+0.4℃のプラスとなっています。となると「昨年までの平年値」と比べると、今年は暑い夏となるでしょう。(しかし、ここを強調するのは平年値更新の趣旨と反しますが)
なお、平年値の範囲が、例えば「-0.3℃~+0.3℃」のように、+-0℃を中心としていないことに疑問を持つ方もいると思います。これは、過去30年の1年ずつについて平年値との差を低い順に並べ、最も低いものから10番目までを「低い」、11番目から20番目を「平年並」、21番目から30番目を「高い」としているためです。過去30年の平均気温と、その差の分布は必ずしも+-0℃を中心とはしません。つまり気温差ではなく数で均等に分類をしています。これを気候的出現率と言いますが、詳しくはこちらをご覧ください。
「晴れ」「雨」のように確定的に伝える日々の天気予報に比べて確率予報は分かりにくいかもしれませんが、上手に使えばかなりリスクヘッジができる予報です。興味のある方はこちらをご確認下さい。ポイントは、最も確率が高いものだけでなく、最も低いものに注目することでしょう。
なお、私は個人的には日々の天気予報にも「信頼度」を出すべきだと感じています。たとえ明日の予報でも、言いきれるほど当たるものではありませんので。週間天気予報ではA~Cで信頼度が表示されています。これに注目すると、予報をより活用できるでしょう。単純に日付が先の予報ほど確度が低いとも限らないものです。
さて、暑い夏。節電のみならず、熱中症への対策を十分に行ってください。散策されるときには、帽子や扇子などをお持ちいただき、水分も早めに補給することや、無理せず日陰などでの休憩をはさむことも大切です。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として9年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。散策メニューはこちらから

「3か月予報 2011年6月~8月」への2件のフィードバック

  1. なるほど~勉強になりますな。
    毎日見てる天気予報だけども
    どうやって予報を引き出してるかなんて
    ぜんぜん知らないもんなぁ。

    1. >P太さん
      天気予報の活用法は折を見て書いていきたいと思います。週間予報の「信頼度」は知っておくと便利です。報道では滅多に流れないのが残念なところですが。

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