台風2号の温帯低気圧化(勧修寺の花菖蒲)


28日午前9時発表の台風情報によると、台風2号は30日の午前9時(東海道沖)で温帯低気圧に変わっている予想です。しかし、これが防災上は曲者です。

台風と温帯低気圧との違いの説明は省略しますが、今回大切なのは、温帯低気圧になっても決して防災上安全になるわけではないことです。両者の違いは構造上のもので、風の強さや雨の多さなどが基準ではありません。むしろ温帯低気圧になってから再発達して暴風が吹くこともあります。「温帯低気圧=衰弱した」といった認識は誤っていますので、報道でも適切に伝えて頂きたいと思います。
台風には、気圧の中心と回転の中心、そして気象庁の中心の3つがあると予報士の間では言われることがあります。すなわち、陸上に接近・上陸した台風の中心は特定しづらく、中心位置よりも実際の風雨の状況をよく見極めることのほうが大切です。
また、台風が温帯低気圧化するときには「減速する」ことがあります。今回は日本付近まで来てから風雨がそれまでの移動速度を元にした見積もりよりも長く続く可能性があるので、台風と同じ警戒態勢をとってよく注意してください。その他は、各報道をご参照ください。京都付近への最接近時刻は29日の夜から30日前半にかけてとなる予報です。
29日16時半追記
台風2号は29日15時に温帯低気圧に変わりました。上述のとおり、引き続き大雨や強風への警戒は続けておきましょう。
さて、京都の話題も掲載します。勧修寺の花菖蒲が見ごろを迎えています。氷室池は、睡蓮や杜若ともに彩りに満ちていて、とても穏やかな時間が流れていました。6月中旬頃までは見られるそうですので、足を運んでみてもよいでしょう。京都旅屋でも6月4日に散策を予定しています。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として9年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。散策メニューはこちらから

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