貴船神社 縁結びのお社


京都には数多くの神社があり、中でも縁結びのご利益は高い人気を集めます。ただ、ひと口に縁結びと言ってもその由緒は様々で奥深いものがあります。個人的なおススメは貴船神社結社(ゆいのやしろ)です。
縁結びの神社には、大国主のようにたくさんの妻や子どもを成した神から来ているもの、スサノオとイナダヒメ、サルタヒコとアメノウズメのように夫婦が由来になっているもの、六角堂や貴船神社のように個別のお話が由来になっているものなどがあります。
大国主は、日本書紀では数多くの妻との間に181柱(柱は神様を数える単位)もの子を成したとされ、不特定の異性からモテたいときには良いのかもしれません。特定の人と仲睦まじくならば、やはり夫婦が由来となっている神社がよいのではと、個人的には感じます。
私が好きなのは、貴船神社の結社(ゆいのやしろ)。こちらにはイワナガヒメ(磐長姫)と呼ばれる神様が祀られています。
その昔、天照(アマテラス)の孫であるニニギは、天孫降臨で地上に降り立った後、美しいコノハナサクヤビメを妻にしようとします。しかしその父は、コノハナサクヤビメの姉で容姿が醜いイワナガヒメも一緒にめとるようにと言います。コノハナサクヤビメは桜の花に代表される、美しくも儚いものの象徴。一方のイワナガヒメは岩石に代表される、醜くとも永く続くものの象徴です。ニニギは結局、コノハナサクヤビメだけを妻とし、イワナガヒメは父のもとへ送り返してしまいます。この話によってニニギとコノハナサクヤビメの子孫である天皇家や私たちは、寿命が有限になったのだと神話には記されています。
さて、実はこの話にはさらに続きがあります。めとってもらえなかったイワナガヒメはそのことを恥じ、「我長くここにありて縁結びの神として世のため人のために良縁を得させん」として貴船神社に鎮まりました。それが「結社」です。
どうでしょう、失恋の痛みを知ってなお人々の良縁を願う涙ぐましい物語。なんともすごいパワーを頂けそうなご由緒ではありませんか。
ちゃんと実績もあります。平安時代の歌人・和泉式部が冷めた夫の愛を取り戻そうと祈願に訪れ、見事に成功させたのです。現代でも気軽に行けるとは言い難い場所。それだけの思いがあるならば、ご利益にあやかれるとよいですね。
なお、貴船神社は、最も有名な本宮、中宮とも呼ばれる結社、もともと本宮があった奥宮の三カ所に分かれています。参拝順は、本宮→奥宮→結社と回るとよいとの話を聞きます。
奥宮は「丑の刻参り」の伝説でも知られる場所で、貴船神社には古くから呪詛信仰もありました。和泉式部が夫との復縁を願うエピソードの際に詠んだ歌が「ちはやふる神の見るめもはずかしや身を思とて身をやすつべき」。詳しくは書きませんが、神様にお願いをするにしても、やはり限度があるというものです。(また、本来の丑の刻参りは呪いの行事ではありません。)
また、貴船神社と鞍馬寺を一緒に訪れようという方は、先に鞍馬寺へ向かうことをお勧めします。鞍馬寺から貴船へは山道が下りが多いですが、貴船から鞍馬寺はきつい坂。鞍馬寺には片道100円で乗れるケーブルもあります。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として9年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。散策メニューはこちらから

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