鉾の曳き初めと12日の宵山 2011年 祇園祭


12日は鉾の曳き初めが行われました。大きな鉾を綱を引いて動かせるのは大変に嬉しい瞬間です。また、夜にはさっそく駒形提灯が出て「宵山」が始まります。
14時から函谷鉾から始まり、15時前に鶏鉾、15時に月鉾、15時過ぎに菊水鉾、15時半に長刀鉾で行われ、全てを見てきました。個人的には、月鉾・菊水鉾・長刀鉾を曳かせていただきました。

曳き初めと観光客のマナー

まずは、観光客のマナーのお話です。曳き初めは近年人出が増えているようで、観光客の参加には様々なご意見があります。私も観光客の延長にいますので、よく注意しなければと感じることもあります。
曳き初めは、基本的に地元の子どもさんが優先です。子どもさんは近くの小学校からクラス単位で来られています。これも地元の伝統なのでしょう。綱を触ると一年分の厄除けのご利益があると言われていますが、当然、地元の方が優先です。

また、きちんと町内の方の指示に従うことが大切です。綱をまたいだり、車輪に不用意に近づかない。写真や動画を撮る時は周りに気を配る、綱を引くときはそれだけに集中して写真は撮らない、などなどです。もし怪我や事故が起きてしまうと「ちまき投げ」が中止になった時のように、曳き初めも中止になってしまいかねませんので。
ただ、きちんと節度を守れば参加してもなんら問題のないものだと私は考えています。

さて、7月12日の曳き初めを見るのは数回目ですが、観光客にお勧めする狙い目は菊水鉾です。他の鉾は観光客にはかなりの競争率ですが、菊水鉾は綱が長く大勢の人が持つことができます。人気は、長刀鉾・月鉾に次いでと言ったところでしょうか。ほぼ同じ時刻に四条通の月鉾が動くので、人もやや減ります。また、面白いのは四条通まで鉾が出てくること。細い室町通を抜けて出てくるのは感動的です。

明日13日は15時頃から、新町通の山鉾が動きます。新町通は坂なので、四条通より北では上りと下りで明らかに重さが違うのが分かりますよ。先ほど書いた節度を守って参加しましょう。

長刀鉾の稚児舞

長刀鉾では動く鉾の上から稚児舞が披露されます。お稚児さんたちにとっては貴重なリハーサルの機会なのだと思います。鉾の上は結構揺れて大変だと思いますが、無事にやり遂げていました。本番の巡行では町名が変わるたびに舞を舞います。明日には稚児社参で位をもらい、精進潔斎の期間に入ります。大変な仕事ですが、無事にやり遂げられるように願っています。

曳き初めの動画

曳き初めの様子の動画をアップしました。しばし祇園祭の雰囲気をお楽しみください。鶏鉾は写真でご勘弁を。
長刀鉾 曳き初めと稚児舞
函谷鉾 曳き初め
月鉾  曳き初め
菊水鉾 曳き初め

12日・13日の宵山

12日に四条通りなどの鉾が立つと、夜にはさっそく駒形提灯が登場して、函谷鉾では鉾の搭乗も始まっています。菊水鉾でも粽などの販売を開始。長刀鉾や月鉾など、まだ準備中の鉾もありますが、それでも宵山の雰囲気は十分です。
一般的には夜店の出る14日から16日の夜が「宵山」だと言われますが、実は12日・13日の夜には、夜店は無くとも人の少ない祇園祭をじっくりと楽しむことができます。懸装品も間近でゆっくりと見ることができて、美しい写真も撮れます。お囃子の生演奏に駒形提灯。町内の人の声も聞こえます。これぞ本来の祇園祭ではなかろうかと思いながら、いつも雰囲気を楽しんでいます。来年はそんな散策企画もやってみたいですね。

13日には、新町通の山鉾やその他の山もそろって来ます。提灯などの準備の様子も面白く、人の少ないうちに祇園祭を満喫するのも一興ですよ。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として9年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。散策メニューはこちらから

より大きな地図で 曳き初めと12日の宵山 を表示

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