13日は、長刀鉾と駒形稚児の社参、新町通の山鉾の曳き初め、夜には山も増えて賑やかになってきた宵山がありました。
長刀鉾のお稚児さんは10時に長刀鉾町の会所から馬にまたがって出発します。八坂神社では10万石の大名と同格の「正五位少将」の位を授かるため、禿(かむろ)も裃姿です。途中、四条大橋を10時30分頃に通過。祇園石段下を通過して、八坂ん神社南門前で下馬して、社参します。お位をもらうことで武士やお公家さんを鉾の上から見下ろしても大丈夫というわけです。社参後は地面に足を付けることは許されず、強力(ごうりき)にしょわれて帰っていきます。その後、南門で馬にまたがって中村楼へ。中で稚児餅を頂くそうです。笑顔がとても可愛らしい動画も撮れました。どうぞご覧ください!
午後には、駒形稚児の社参がありました。久世にある綾戸国中(くなか)神社からお稚児さんが社参します。綾戸国中神社も八坂神社と同じスサノオがご祭神ですが、性質が少し違います。祇園祭は、綾戸国中神社の荒々しい「荒御魂」と八坂神社の穏やかな「和御霊(にぎみたま)」が合わさることで成立します。お稚児さんは神の使いとして非常に重要な役割なのです。なお、駒形とは馬の首の彫り物のことで、これを首から下げていることから、お稚児さんは駒形稚児と呼ばれます。17日の神幸祭と24日の還幸祭ではお稚児さんがそれぞれ神輿の先導を務めます。
15時からは新町通で山鉾の曳き初めが行われました。北観音山から南の岩戸山まで5基全てを見てきました。5基全てを見るのは、かなり頑張らないと難しいですが、不可能ではありません。動画も撮っていますので、しばし狭い新町通を動く映像をお楽しみください。岩戸山では屋根の部材が電柱にぶつかるハプニングもありました。幸い大事には至らならなかったようです。私も船鉾を曳かせていただきました。やはり新町通は坂なので北へ引っ張る時は重いですね。船鉾の拝観券も頂けました。
夜には13日の宵山です。山も立ち始め、12日より賑わいが増しています。ただそれでもまだ空いていますのでこの日もおすすめです。菊水鉾ではお囃子の中でも鉾に上ることができ、鉾上でお囃子を聞く素晴らしい機会もあります。町内の方によると、14日以降は混雑するので難しいとのこと。この日も月が昇り、大変に美しい光景が見られました。京都に、山鉾町に住めて本当に幸せです。
月が上るのは1日に50分ずつ遅くなります。13日の月は22時前に撮りましたので、14日以降は遅すぎて難しいでしょう。12日・13日の美しい光景を少しでも皆さんにお伝えできれば嬉しいです。
ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として9年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。散策メニューはこちらから。