三条御供社のオハケ


三条通商店街の中にある三条御供社(さんじょうごくうしゃ)の前に緑の芝生がお目見えしました。明日23日には清祓(きよはらえ)式が行われて3本の御幣が立てられます。
芝生と御幣を総称して「オハケ」と呼びます。祇園祭は869年(貞観11年)に京都で疫病や全国的な天変地異が起こった時、神泉苑に当時の国の数と同じ66本の鉾を立て、荒ぶる神を鎮める御霊会を催したのが始まりです。神泉苑は今でこそ二条城のお堀に水が奪われて小さな池のようですが、当時は北は二条から南は三条までの広い苑池でした。
と言うことで、三条御供社の場所は神泉苑の南の端、池のほとりだったのです。そこに神泉苑の水辺を模した芝生を置き、神の依り代となる3本の御幣を立てる。この行為は祇園祭のルーツを忘れないように後世へと伝えていくための、大切な神事のように私は感じます。

祇園祭のお神輿は24日まで四条寺町のお旅所に鎮座していますが、24日夜には再び八坂神社へ戻る還幸祭が行われます。還幸祭の折りに3基の神輿が三条御供社に立ち寄り、神はそれぞれの御幣に宿り休憩をされるとのこと。つまり、ここが「二番目のお旅所」と言うことで、三条御供社は別名「又旅(またたび)社」と呼ばれています。

御幣が立つのは23日午後2時からの清祓式の時です。これで還幸祭への準備が整います。24日の還幸祭では、あの狭い三条商店街に大勢の担ぎ手が集まるのですから、熱気はもうすごいです。初めて見物しようとうする方はご注意下さい。神輿はガイドブック等に乗っている通過予定時間から大きくずれることもよくあります。また、神泉苑ではスサノオが遷る中御座のみ神事(+仏事)を行います。
なお、オハケは「御祓解」と書かれますが、詳しい名称の由来はよくわからないようです。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として9年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。散策メニューはこちらから

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