真如堂の虫干し


25日は真如堂で虫干しが行われました。京都の寺院では年に1回ほど虫干しが行われることがあります。軸物を中心に、寺院の長い歴史の中で収蔵された素晴らしい品々を本当に間近で見られる非常に貴重な機会です。
真如堂では、真如堂縁起絵巻(複製)や、寒山拾得図が知られているようです。他にも、徳川家康や豊臣秀吉の画像があったり、頷きの弥陀の裏側の壁に描かれている釈迦三尊像の絵も公開されました。個人的に面白かったのは歴代住寺の画像で、近代の画像は顔の部分が写真のように非常にリアルに描かれていて、画風の変遷が分かる点でした。
本堂の入り口では「びわ湯」も配られ、味は好んで飲むのではないですが、薬効はありそうでした。ちなみに「湯」とは書かれていますが、よく冷えていました。

また、書院の庭園も通常通り見られました。真如堂のお庭は大文字山を借景にしており、私の好きなお庭の一つです。京都では歴史のある古いお庭が注目されがちですが、新しくとも美しいお庭はたくさんあり、妙心寺・退蔵院の余香苑、真如堂の涅槃の庭、光雲寺のお庭も素晴らしいと感じます。

真如堂では、三井家の位牌が安置される仏堂の前に2010年に「随縁の庭」が新たに作られました。重森三玲の孫に当たる重盛千青(ちさお)氏によって作庭され、三井家の四つ目の家紋をモチーフにし境内の石を転用した美しいお庭となっています。

さて、虫干しでは、10月の第二日曜に大徳寺で行われる曝凉(ばくりょう)展が見どころ十分です。私が行った時は国宝の観音猿鶴図が普通にかかっていて驚きました。知識が無くとも心に響いてくる絵の存在感はまさに文句なしの国宝です。普段は入れない大徳寺の本坊にも入ることができ、1300円の拝観料の価値はあるでしょう。
他にも時期は先ですが、5月初めの神護寺の虫干しも伝・源頼朝像や灌頂歴名などが本当に間近で見られ、長い階段を上ってでも行ってみる価値があります。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として9年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。散策メニューはこちらから

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