岩船寺のサルスベリ


先日、南山城にある岩船寺(がんせんじ)へ行ってきました。境内入口にはサルスベリが美しく咲いています。

岩船寺は浄瑠璃寺からさらに山を登った場所にあります。関西花の寺としても知られ、境内にはアジサイを筆頭に様々な花の咲く木が植えられています。この時期は門を入った場所にあるサルスベリが美しく迎えてくれました。春には桜やつつじ、夏にはアジサイ・睡蓮・サルスベリ、秋には紅葉、冬には梅や椿と、四季折々の花で楽しませてくれるようです。

岩船寺の創立は奈良時代にまでさかのぼり、寺伝によると聖武天皇の発願で行基による開創といわれ、最盛期には広大な境内に39の坊舎がありました。しかし承久の乱で大半が焼失し、再興されたお堂も再度の兵火によって徐々に衰えて、江戸時代初期には十棟程度まで減ってしまします。その後、ご勧進と徳川氏の寄進によって本堂や本尊の修復がなされて復興し、さらに本堂は昭和63年に落慶したものです。

ご本尊は平安時代の阿弥陀如来で、平等院よりも107年古いものです。周りを四天王が囲み、荘厳な雰囲気のある仏様です。本堂内部をぐるりと回ることができ、裏側の十二神将を始め数々の仏像を比較的近くでゆっくりと眺められるのがこのお寺の特徴です。室町時代の三重塔は美しく色が塗りなおされ、屋根を支える天邪気(あまのじゃく)が印象的です。また、少し大変ですが山道を登った場所には眺望の良い場所もあります。浄土信仰の霊場として栄えたころが偲ばれます。

お寺の周辺は当尾(とうの)と呼ばれる地域で、石仏(磨崖仏)が多くある場所です。道に突然現れる石仏はなんとも不思議な光景。昔の人々は険しい山道を歩きながら手を合わせたのでしょう。岩船寺近くのミロクの辻にある弥勒磨崖仏は笠置寺の弥勒仏を写したものと言われています。
余談ですが、高尾・栂尾・水尾など、「尾」の付く地名が京都にはあります。「尾」は山麓の平坦地のことを意味するのではないかと、ある本に書かれていました。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として9年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。散策メニューはこちらから

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