3か月予報 2011年9月~11月


毎月25日は3カ月予報の発表日です(そろそろ浸透してきましたでしょうか)。いよいよ「秋」の本格的な予報です。

萩の花の件で訂正

先月の3か月予報 8月~10月の記事の写真で、萩の花が遅いかもと書きましたが、これは訂正します。失礼いたしました。前回の記事の後に、萩の花は「気まぐれ」で桜のように律儀には咲いてくれないことがわかりました。
京都のヤマハギの開花は、今年は記録的に早く6月21日に既に気象台から開花宣言が出されています。確かに今年は7月からすでに咲いている場所も見かけます。ちなみに昨年は9月22日の開花と記録的に遅くなりました。萩は気まぐれな花ですね。植物の開花で、律儀なものと気まぐれなものについては、折を見て記事を書きたいと思います。なお、常林寺や梨木神社は8月中旬の時点でまだ咲いていませんので、今年は例年通りと考えたいところです(どうなるかはまだわかりませんが)。

台風の動き

直近の予報では、台風の動きがカギを握っています。台風12号は関東から東北沖を北上する可能性が高く、風や雨の範囲も大きい台風となりますので、中心の位置だけにとらわれず東日本方面の皆様は動きに十分ご注意ください。
台風11号は台湾から沖縄近海で動きが遅くなり、その後西日本へ近づいてくるか大陸へ向かうか、はたまた弱まっていくのかはまだ不確定です。複雑な動きをするかもしれません。
台風が二つ以上あって概ね1000km以内の距離ある時は、互いに干渉し合う「藤原の効果」が発生します。これは英語でも「Fujiwhara Effect」と言われる世界的な用語。藤原さんとは戦前に活躍した気象学者、藤原咲平のことです。彼は、正しい判断をするための「天気予報の心得」なるものを残しています。現代の世にも十分使える哲学ですので、近いうちに紹介できたらと思います。
台風が日本の東を進む時は寒気を引き込んできます。週間予報支援図にも大陸にはっきりとした寒気が予想されていますが、どこまで下りてくるかは注目です。

3か月予報 9月~11月

さて、近畿地方の3か月予報では、3か月のトータルの気温は「高い」と「平年並」の確率がともに40%と予想されています。9月は高気圧や低気圧が交互に通り、残暑が厳しい時期もある予報。10月は例年通りの周期変化の天気。前線の影響を受けやすく平年より雨や曇りの日が多い予想となっています。また、熱帯付近の対流活動が平年より活発な状況も予想され、台風の接近にも注意が必要と言えるでしょう。
11月の気温は「高い」が40%、「平年並」と「低い」が30%と、まだどちらに転ぶかわかりませんが、偏西風の南下が遅いことも示唆されているため、紅葉の時期が例年より早くなる可能性は今のところ低いと言えるでしょう。
例年、あと2か月もすれば京都でも気温が1ケタに下がり、息が白くなる日が出てきても不思議ではありません。まだまだ残暑が厳しいですが、虫の声や日差しの傾きの早まりに「秋」を感じることも増えてきています。御池通ではコスモスを見かけました。次に迎える満月はもう「中秋の名月」で、気がつけば28日の日の入りは18時30分。秋の夜長もすぐそこです。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として9年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。散策メニューはこちらから

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