大仏鉄道の跡


日本各地には配線となった路線がいくつもあります。南山城の加茂駅から奈良の大仏前を結んでいた「大仏鉄道」もその一つ。
大仏鉄道とはなかなか覚えやすい名前ですが、その名の通り奈良の大仏への観光路線として1898年(明治31年)に開通した鉄道でした。加茂駅から、奈良駅の1kmほど北につくられた「大仏駅」までを結ぶ8.8kmの路線は、初年の乗降客は約5万人と大いに賑わいました。機関車は真っ赤に塗られ、わざわざ機関車を見に来る人もいたそうです。
しかし、奈良と加茂を結ぶ最短路線がたたって坂の難所が多く、機関車はたびたび停車。乗客が機関車を押していたこともあるそう。そして木津と奈良を結ぶ比較的平たんな路線ができると、乗客は激減。開通から9年目にはなんと「年間33人」まで減ったというから驚きです。ということで、あえなく廃線となってしまいました。
現在は、加茂駅の南にある公園にレールと車輪が保存されています。また、木津川市の山中には「赤橋」と呼ばれる、レンガ造りの橋が残され、現在は車が通る道となっています。さらには、加茂駅構内にあるレンガ積みのホームはこの大仏鉄道のものだそうで、かつての名残が人知れず現在も残されています。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として9年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。散策メニューはこちらから

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「大仏鉄道の跡」への2件のフィードバック

  1. 初コメです。
    大仏鉄道ですか…
    知りませんでした(汗)
    京都、奈良は奥が深いですね。
    行く機会があればぜひ訪れたいと思います。
    ところで11月には世界遺産、富山、南砺市の五箇山へ油絵のスケッチに行ってきます。
    堪能してきます(笑)

    1. たかさん
      コメントありがとうございます。
      五箇山は私も訪れてみたい場所ですね。
      合掌造りだけでなく、落人伝説や加賀藩の流刑地、
      火薬の原料を作らされていたなど歴史的にも面白そうな場所です。
      時候がよいので、美しい風景が待っているとよいですね!

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