上賀茂神社の笠懸神事


16日は上賀茂神社笠懸(かさがけ)神事が行われました。疾走する馬の上から的を狙う迫力ある行事です。
16日は、嵐山で斎宮行列を見た後に上賀茂神社へと移動しました。この時期の土日は行事が目白押し。「交通を制するものは京都を制す」。取材の際は一日で数年分の経験知を積むことを目標にしています。さて、無事に笠懸が始まって間もないころに到着できました。

笠懸は流鏑馬(やぶさめ)と似て、馬上から弓で的を狙います。流鏑馬は儀礼的な要素が強く、作法がきちんとしているそうですが、笠懸はより実践的で標的も多彩といった違いがあるそうです。どちらも私のような観光客から見れば、大きな違いはないでしょう。

上賀茂神社での笠懸神事は7年前に復活しました。なんと800年ぶりだったそうです。笠懸は日本書紀にも登場する日本古来の弓馬術で、疾走する馬の上から的をねらいます。馬から約5m離れた40cm四方の的を射る遠笠懸(とうかさがけ)と、地面低くに立てられた10数cm四方の的を射る小笠懸(こかさがけ)とがあります。奉納されるのは、大日本弓馬会武田流弓馬道の皆様です。笠懸は、現在主に関東地方での奉納が行われており、関西地区で行われるのは上賀茂神社だけ。しかも神社奉納として行われるのは全国でも上賀茂神社だけとのこと。笠懸神事は、笠懸としては珍しく女性の射手が騎乗します。武者装束姿の騎手が順番に南端から出発し、北端でUターンして再度駆け抜けます。その間に左右両側に設けた的に向けて矢を放つのです。

さてこの神事、もちろん無料でも見ることができるのですが、せっかくなので近づける有料席(500円)へ入ってみました。写真を撮るなどされる方はやはり有料ゾーンがよいでしょう。私は見るのは初めてでしたが、馬の疾走感がすごいです。まずは動画をご覧ください。

いかがでしたでしょうか。最初の的のアップの映像では、一瞬で通り過ぎて行きますね(笑)その中でも大きい的を狙う遠笠懸は結構当たっていました。昨年も見に来られた方曰く、今年はよく当たるとのことでした。
的に当たると記録所から太鼓が鳴らされ、解説アナウンスでも「的中!」と告げられます。いつもながら上賀茂神社の神事やイベントは、解説が大変充実しており、日本語のみならず英語でも流暢に解説して頂けます。通訳案内士を目指される方は参考に聞きに行かれてもよいかもしれません。

大きな的を狙う組みが6頭ずつ二組あり、その中で成績上位の6名で決勝戦が行われます。的はさらに小さくなり、当てるのはまさに熟練の技の域です。しかし当てる射手もちゃんといて、割れた的からは紙吹雪が舞います。残念ながら動画や写真は撮れませんでしたが、綺麗ですので、機会がありましたら是非現地でご覧になってください。また、そのほかの写真はFacebookにて公開しています

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として9年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。散策メニューはこちらから

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