時代祭の天気 雨で順延の可能性も


22日は京都三大祭りの一つ、時代祭です。しかし気象庁の20日17時発表の予報(以下、予報は全て気象庁)では、雨の予報が出ており23日へ順延の可能性が高まっています。では、23日の天気はどうか?こちらは20日11時発表の週間予報では「曇り 40%」となっています。できそうかできなさそうか、解説します。
【23日午前6時半追記:23日の時代祭は予定通り行われます。
【22日午前7時半追記:時代祭は23日へ順延となりました。気象庁・午前5時発表の予報によると、23日午後の降水確率は10%。今のところ開催できる公算は高いでしょう。本日夜の鞍馬の火祭りは雨天決行です。】
時代祭は、平安遷都1100年を記念し、また明治維新で活気を失いつつあった京都のまちを盛り上げるため、明治28年(1895年)に始まったお祭りです。現在は京都三大祭りの一つとして、20行列、人員は2000名・牛馬77頭、長さは2km、行列が通過するのにかかる時間は約2時間という壮大な行列となっています。私も学生時代に「織田公上洛列」に参加し、体格に合わない非常に重たいものを持たされました(笑)今となっては貴重な経験です。なお、写真は先日行われた船岡祭で展示された信長由来の品です。

時代祭の天気予報と開催可否判断

さて、気になる天気。先に結論を書きますと、22日は厳しくとも23日ならば開催できるのではないかと個人的には思っています。ただし、このブログは20日23時頃に書いていますので、必ず最新の天気予報と、平安神宮が当日午前7時に判断する開催可否情報を関連ホームページ等でご確認ください。
天気図では西からゆっくりと低気圧が進み、京都では21日夜から雨が降り出す予報です。この低気圧は動きが遅いため、22日は終日雨が降りやすく気象庁は20日17時に「曇り時々雨 降水確率70%」の予報を出しています。主催者の心理を推察すると、これだけはっきりと雨の予報が出され、また23日への順延もできることを考えれば、22日の開催は取りやめ23日に改めて行うと判断する可能性が高いと思われます。
さて、問題の23日。冒頭でも書きましたが20日11時発表の週間予報では、23日は「曇り 40%」となっています。なんとも歯がゆい予報です。もし雨が降ればどうなるか?24日に再度順延するのでしょうか?京都市観光協会に問い合わせてみました。「23日も開催できない時は中止します」との回答でした。むむむ…、これは大変なことではないだろうか。時代祭の行われる10月22日の京都は、14年連続で「日中に雨が降らない」という記録もあるほどで、過去20年では5年に1回しか雨に降られていません。この時期は何日も雨が続くことは珍しいのです。
調べてみると「雨で中止」に追い込まれたのは、時代祭の開始以来、過去116年間に一度もありませんでした。もし中止にでもなれば、来年の時代祭の集客も含め、京都観光とっては大変な影響が出ることでしょう。が、冒頭に書きました通り、23日ならば開催はできるのではないかと個人的には思っています。私がここで独自予報を出すことはできませんので、気象庁が出している情報から書ける範囲で根拠を書いて行きます。
まず予報信頼度。信頼度は、3日目以降の降水の有無の予報について「予報が適中しやすい」ことと「予報が変わりにくい」ことを表す度合いでA(確度が高い)~C(確度がやや低い)の三段階で表現されます。23日の予報信頼度は「C」!!。つまり、「曇り 40%」の予報は「予報の的中」や「予報の変わりやすさ」において、信頼度が「やや低い」のです。すなわち雨が降るとは限らないと言えます。
次に、近隣の地域の予報はどうか。天気予報は隣の都道府県で予報が大きく変わることを極力避けるため、地域単位で調整されています。ということで、京都の周りの滋賀や奈良、大阪・兵庫も「近畿」という同じ地域ですので「曇り 40%」の予報です。しかし、地域をまたいで中国地方の岡山県はどうか?天気は西から変わってきますので、十分参考にできるはず。ということで岡山を見ると、23日の予報は「曇り時々晴れ 30% 信頼度B」。すなわち隣の地域の京都も「晴れ」に傾く可能性があると言えるでしょう。
また主催者の心理からすると、順延はできず中止か行うかの判断しかないこと、過去116年で雨での中止は一度もないこと、中止の場合は各方面に大きな影響が出ることなどから推察して、同じ天気でも23日は「無理をしてでも行う」と考える可能性が高いと思われます。ただ、衣装への影響がどの程度の雨でアウトなのかが大きな判断ポイントでしょう。仮に小雨でもダメだとすれば、中止に傾く可能性は当然高くなります。
以上、ここから先は「現象の予想の発表」になってしまいそうですので、本当はもっと詳しく書きたいところを抑えつつ、止めておきます。繰り返しになりますが、必ず最新の天気予報と、平安神宮が当日午前7時に判断する開催可否情報を関連ホームページ等でご確認ください。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として9年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。散策メニューはこちらから

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