恵比寿神社の式包丁披露と禅居庵の護摩供養


20日は、恵比寿神社では二十日恵比寿で、手を触れずに魚をさばく式包丁が披露されました。また、すぐ近くの建仁寺の塔頭・禅居庵では山伏による護摩供養が行われました。

この行事、両方でほぼ同時刻に進行していきますので、写真も行き来をしながら急がしく撮っています。まず建仁寺境内から山伏が法螺貝を吹きながら出発し、大周りをして禅居庵へと向かいます。やがて禅居庵に到着すると、まず神変講社平安連合会の山伏が先に護摩焚きが行われる場所に入ります。その後に聖護院門跡の山伏が合流して、参加するための問答が始まります。ページの最後に動画がありますので、ご覧ください。

一方その頃、恵比寿神社では二十日恵比寿の神事が行われています。禅居庵では問答の後、無事に聖護院の山伏も合流して、まず魔よけの儀式が行われます。護摩壇の四方と真ん中、そして鬼門(北東)の方向へ矢を放ち、斧でも清めを行います。なお禅居庵は、陽炎(かげろう)を神格化した摩利支天(まりしてん)をおまつりし、この日はその秘仏も公開されました。摩利支天は開運や勝利の神仏として、また7頭の猪に乗っているところから猪年生まれの守護神として信仰されています。そのため境内には多くの猪像があります。

恵比寿神社ではこの頃から式包丁の準備が始まっていたので移動します。式包丁は神に供える神饌を奉納する儀式で、今回は鯉と鯛がそれぞれ奉納されました。鯛は恵比寿様ゆかりの魚。鯉は「五穂(いつほ)の鯉」と呼ばれる形式で、米・麦・粟・稗(ひえ)・大豆の収穫を祝う意味で奉納されています。披露をする生間(いかま)流は、織田家や豊臣家にも仕えたとされ、武家料理を今に伝える日本料理の一流派。式包丁ではまな板の上にある魚などには手を触れず、包丁と箸とでめでたい形に盛り付けて行きます。京都では貴船神社や八坂神社などでも奉納を行っていますが、写真撮影が可能かどうかはその時々で異なりますので、ご注意ください。

式包丁はきびきびとした所作も見もの。威厳や風格を感じさせる鯉の見事なさばきを見て、急ぎ禅居庵へと戻ると、護摩焚きが始まっていました。こちらは軽快なリズムで、天下泰平などを祈願していきます。交通安全などもお願いされていました。山伏の話し方もきびきびとしており、風格があります。

今回は次の用件が押しており、ここまでで離れました。機会があればまたゆっくりと見たいものです。なお、写真はFacebookで公開しています。山伏の問答や護摩焚きの動画もありますのでご覧ください。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として9年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。散策メニューはこちらから

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