城南宮 曲水の宴 2011年秋


3日は城南宮曲水の宴(えん)が行われました。平安の雰囲気が漂う雅な行事です。

曲水の宴は、曲がりくねった小川(遣水:やりみず)にお酒の入った杯を流し、目の前に流れ来る前にその日の題に沿った歌を詠むというものです。一般的には詠めなければ罰として酒を飲まされます。歌を詠む歌人の着物は、男性は狩衣(かりぎぬ)、女性は小袿(こうちき)という教科書通りの姿。杯を乗せた羽觴(うしょう:おしどりの姿を象った盃台)を運ぶのは水干(すいかん)姿の童です。城南宮の羽觴やその行事形態は、京都御所の御常御殿に描かれている杉戸絵を参考にしています。

曲水の宴の始まりは中国ですが、日本に伝わったのも古く、日本書紀には今から1500年以上前の出来事としてすでにその様子が描かれているとのこと。もとは穢れをはらう禊の行事であったようです。やがて平安時代の藤原期になると、貴族の遊宴として催されるようになりました。当時の貴族たちは自らの邸宅に小川を流し、舟を浮かべる池を作ることもありました。庶民では想像しがたい贅沢さですね。

城南宮の神苑の一つ「平安の庭」では、箏の生演奏による美しい音色が響きゆったりと流れる羽觴など、時間の流れがそこだけ違うかのような雰囲気がありました。詠まれた歌は童が集め、神社の朗詠者によって独特の旋律で披露されます。その様子もまた非日常の光景。しかし、やはり人が多い。曲水の宴は人気行事ということもあり非常に多くの人が見物に訪れます。ある程度の覚悟を持ってお出かけになるとよいでしょう。

また、この日は神苑も無料公開されます。城南宮の神苑(楽水苑)は「源氏物語 花の庭」と名付けられ、源氏物語に登場するほとんど全ての草木花が総勢100種以上も植えられたお庭。無料で見られるだけでも大変にありがたいですね。春先には神苑の一つ「春の庭」に見事なしだれ梅が咲き誇り、えも言われぬ美しさとなります。他にも「室町の庭」「桃山の庭」「城南離宮の庭」と、雰囲気の異なる様々な顔を見せてくれる見ごたえのあるお庭。作庭したのは、昭和の小堀遠州とも言われる中根金作で、京都では妙心寺の退蔵院、全国的には島根県・足立美術館のお庭が知られています。

曲水の宴の後には、始まりが禊であった由緒から人形(ひとがた)流しも行われます。曲水の宴は城南宮では4月29日にも行われ、京都では上賀茂神社でも4月の上旬に行われます。今回のそのほかの写真はFacebookにて公開しています。どうぞご覧ください。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。散策メニューはこちらから

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