19日は、妙心寺の塔頭・大法院へ行ってきました。雨のためか人が非常に少なく、その分緑の輝きが増したお庭をゆっくりと贅沢に堪能することができました。
大法院は最近はだんだんと有名になってきたようですが、あまり大きく宣伝をされたりお寺のホームページも無いことなどもあり、まだ「穴場」と言える場所でしょう。春の新緑の時期と秋の紅葉の時期にのみ特別公開されており、私はここ3-4年ほどは毎年お庭を眺めに来るのが恒例となっています。
お庭は茶室に付随する「露地庭園」。特徴である飛び石と、緑の苔に楓、ひなびた雰囲気の待合と双ヶ丘(ならびがおか)の借景が印象的な庭園です。拝観はお抹茶が必ず付いており、似ている雰囲気の場所といえば大原の宝泉院が思い出されるかもしれませんね。
この日は雨でおでかけを控えられた方もいるかと思いますが、実は雨の日こそ緑や石が引き立つので、観賞式のお庭が非常にお勧めなのです。この日の大法院もしかり。雨のしたたる音を聞きながら、楓が色づき始めたお庭を眺めてお抹茶とお菓子を頂く。そして人が少ない。これ以上の贅沢があるでしょうか。私の好きな場所の所以です。ページの最後に動画もありますので、しばし雰囲気をお楽しみください。
大法院は、松代藩主であった真田信之の孫娘である長姫(おさひめ)が、信之の遺言に沿って菩提寺として創建した塔頭。信之は、あの真田幸村の兄にあたります。また幕末に松代藩で儒学の先生も務め、京都で暗殺された佐久間象山が眠るお寺でもあります。ということで、長野県の方には縁が深いお寺。京都に来られる際に拝観可能な時期でしたら、是非訪れて頂きたい場所です。大法院の公開は12月4日まで。たいていのお寺は拝観料+お抹茶だと1000円近くはするものですが、こちらはお抹茶付で600円。京都でも有数のお得さだと思います。また、妙心寺境内も見どころがたくさん。駅も近くでとてもおすすめの場所ですよ。
ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。散策メニューはこちらから。
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