南座のまねき上げ


25日は南座で「吉例顔見世興行」のまねき上げが行われました。京都に師走を告げる風物詩です。

今朝の早朝7時過ぎに南座へ行ってみると、既にご覧のように「まねき」が上がっていました。まねき看板は「隙間がないほど大入りになるように」との願いから、太く丸みを帯びた「勘亭流」という書体で隙間なく役者の名を記した一枚板。人が中へと入ってくるようにと、内向きに字がまとめられているのが特徴です。全国でも、江戸時代以来の古式が残るのは南座だけ。作業はなんと日付が変わる午前0時頃から行われ、朝7時過ぎにはご覧の通り。午前9時過ぎに最後の看板を上げて完成したそうです。

かつては芝居小屋と歌舞伎役者との契約は、プロ野球選手のように1年更新。もともとは長期契約でその間は他の芝居小屋での出演もできなかったそうですが、それでは顔ぶれが単調になってしまうということで考え出された仕組みです。顔見世興行はその年のその芝居小屋の顔ぶれを披露する、最も大切な興行であったわけです。これは旧暦の11月初旬に行われていましたが、明治以降には新暦の12月に行われるようになりました。

12月には祇園の舞妓さんの花かんざしも「まねき」をモチーフにしたものに変わります。まさに京都に年末をつげる風物詩。26日は、もうすぐ師走にふさわしく空気が澄んで快晴の一日。しかし27日からは一転暖かくなり、来週にかけて11月末としては記録的に気温の高い時期が続きそうです。本日(25日)発表の1か月予報でも、1週目(11/26~12/2)の気温が「高い」確率は「80%」。平年並と低いの確率は10%ですが、最低でも10%を配分する決まりがあるので「高い」の確率が「80%」というのは限りなく「100%」に近い数字だと言えるでしょう。週末は絶好の散策日和!!来週にかけて紅葉が長持ちすることを願いたいですね。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。散策メニューはこちらから

より大きな地図で 南座 を表示

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE TOP