京都の皆既月食 2011年


10日深夜から11日未明にかけて、全国で皆既月食が観測されました。京都でも予報通りの快晴の空となり、全行程を美しく見ることができました。

12月寒波

さて、9日からの寒波で、京都では10日朝の最低気温が0.2℃まで下がり、初霜(9日)・初氷(10日)が観測されました。初雪は観測されませんでしたが、比叡山も一時白くなり、市街地の雪化粧まで本当にあと一歩のところまで来ました。次回、初雪がありそうなタイミングは16日~17日頃。金曜日(9日)に発表された近畿地方の1か月予報によると、1月初めにかけての気温予想は「平年並 50%」が最も高くなっています。これまで12月は暖かい予報が出ており、1週目(12/2~12/8)は平均気温偏差が+1.8℃(近畿全域)と高い結果となりました。12月単月で見ると、この期間が引っ張ることで高温で終わるかもしれませんが、ここから先は「暖かい」という感覚は基本的に捨て「例年並みの寒さ」と考えたほうがよいでしょう。

また、1月・2月は「平年より寒い」という予報が出されています。12月早々に寒気が出ている感もありますが、12月の今後が「平年並」の可能性が高くなったことで、その先にある1月以降の予報に変化が無いかは要注目です。なお、北極振動指数は「正」の傾向が続いています。正の時は、日本のある中緯度への寒気の流れ込みは相対的に弱いとされるため、まだまだ本格的な真冬はこれからとも言えるでしょうか。

京都の皆既月食

今年は年に2回もの皆既月食が見られる当たり年です。前回は梅雨の時期で見ることができませんでした。しかし、今回は晴れて、しかも全行程が見られるという2000年7月16日以来の貴重な機会となりました。2000年の時も私は月食を見ていたことを思い出します。京都に来て一年目。7月16日は祇園祭の宵山の夜。友人と一緒に人生初の宵山へと繰り出した私は、あまりの人の多さに疲れてしまい、しかも背が高くないので山鉾がよく見えない。ということで、友人が肩車をして山鉾を見せてくれました。ちょうどその夜に皆既月食があったわけです。四条通の大混雑の中、肩車をされている私と月食で月が欠けて行く写真は、今も手元に残っています。あれから11年。再びこうして京都で皆既月食を眺め、感動できたことをとても幸せに思います。

2000年の際は、「山鉾と月食」なんて写真を撮った方もおられたかもしれませんが、冬の月は夏よりも高く昇ります。皆既月食の時間帯はほぼ空の中心を通るため、首も真上に向けねばならず、写真も普通の建物と一緒に写すのは困難です。でも、やはり京都らしい風景と一緒に月をお届けしたいということで、実は前々から狙っていたのが京都タワー。ここならば下から見上げて月とタワーを同時に見られます。

月が欠けて行くスピードは結構速い。皆既状態になると、地球の大気で屈折した光が月を照らすため、月全体が赤っぽくなります。ただ、欠けて行く最中はまだ残っている月の光が目立つため、欠けた部分は暗く見えます。私はこの欠けて行く時間のワクワク感が少年時代から大好き。「もしかしたらこのまま月が真っ暗になるのでは?」と思わせてくれますので。

皆既食の「皆既」という言葉は「みなつきる(皆尽きる)」という意味で、「既」という漢字には「ごちそうをおくび(ゲップ)が出るまですっかり食べてしまう様」という成りたちがあります。日食・月食の「食」の通り「全て食べつくす」という意味とも取れる「皆既」の言葉。古代の人たちは、欠けて行く様子にさぞ驚き、人知を超えた何かが月や太陽を食べると考えたのかもしれませんね。

京都タワーの下の部分は青い光を放っています。Facebookでは、まるで宇宙ステーションのようとのコメントも頂きましたが、まさに遠い宇宙を覗いているかのような写真となりました。タワーも月も実際より明るめに撮っています。また、月も少しづつ動いて行きますので、固定した位置から撮れば移動して行く様子がよくわかります。今日(11日)の京都新聞では、ちょうど京都タワーと写したそのような写真が載っていました。私のすぐ近くで撮っておられたようです。

次回の皆既月食は3年後の2014年。しかし、その前に来年2012年の5月21日早朝には、いよいよ「金環日食」が待っています。以前、ブログにも概要を書いたことがあります。京都でも見られるのは、一生に一度と行っても過言ではない貴重な機会。ちなみにその次に日本で見られる皆既または金環日食は、なんと2030年(北海道で金環日食)まで待たねばなりません。来年の金環日食は、朝の7時30分頃に起こります。空が見えさえすれば、会社を休まずとも多くの方が見られる時間帯。どうか天気が晴れてくれることを願っています。余談ですが、京都にはいつでも金環日食が見られる場所があり、私は前を通るたびにその様子を見上げています。そちらは5月までに改めてブログに書こうと思っています。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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