冬至の京都 3か月予報 2011年1月~3月


22日は二十四節季の一つ冬至です。「昼間の長さが最も短くなる日」として知られています。四条通から御池通付近にかけての烏丸通では、沿道を照らすイベント「カラスマ街のあかり」も行われています。

冬至あれこれ・カラスマ街のあかり

今回も嵐電の動画をご覧ください。暦便覧では「日南の限りを行て 日の短きの至りなれば也」と表現されています。一陽来復のこの日は、民俗学的にはクリスマスやお正月の始まりとも密接な関係があります。冬至と言えば、かぼちゃと柚子湯が定番ですね。京都検定の公式テキストでは、京都の冬至の風習として「ん」の二つつくものを七つ食べる、というものが紹介されています。なんきん(南瓜=かぼちゃ)、にんじん、れんこん、ぎんなん、きんかん、かんてん、うんどん(うどん)。人は運・根(こん)・鈍(どん)の三拍子がそろって初めて出世するというので、その「ん」にあやかるためだとか。かぼちゃを食べるのは中風除けでもあるそうです。柚子湯は、冬至と湯治をかけているのだとか。柚子にも血行促進で冷え症を緩和する効能があるそうで、風邪予防に柚子湯はもってこいなのでしょう。23日には矢田寺で「かぼちゃ供養」も行われます。

冬至は昼が最も短い日、つまりこれからは日が長くなる(好転していく)一方です。しかし「冬至、冬なか、冬はじめ」。日脚は次第に伸びて行きますが、空気が暖まるまでには時間差があり、寒さはこれからが本番ですね。厳しい冬の中に春の兆しを見つける。人生にも似たような時期があるのかもしれません。

冬至は、日の入りが最も早く、日の出が最も遅い日と誤解されがちですが、実はそのどちらでもありません。今年の京都で日の入りが最も早いのは、12月2日~10日にかけての16時45分。冬至の今は、既にゆっくりと日の入りは遅くなっています。にもかかわらず「昼の時間が最も短い」のが今なのは、日の出がさらに遅くなっているためです。日の出が最も遅いのは、京都では年明けで2012年1月8日の7時6分となっています。つまり「来年」となり、もし「今年」で最も日の出が遅い日は?と聞かれると、答えは2011年1月7日・8日(7時6分)となります(いじわる問題ですが)。冬至の今朝、日の出は7時1分。これからあと5分ほど遅くなります。

冬至に春を感じることもあれば、さらに先の「夏」を感じることもできます。それは「夏の大三角形」。夜空に浮かぶ織姫と彦星、そして二人の間を舞う白鳥は、まだ名残を惜しむかのように、美しい三角形を描いています。方向は真西で、京都の東西にまっすぐ延びた通りでは正面に見えています。時刻はちょうど会社帰りの頃(18時前後)。西の空を見上げて冬の中に夏を感じるのもまた一興。この時期は空気が澄みやすい分、都会でも星を見るのに適しています。きっと織姫も彦星も、地上で輝きだす冬のイルミネーションを眺めているのでしょう。(余談ですが、織姫のある琴座の神話は、不思議なことに古事記に出てくる話と似ているものがあります。この話はどこかで書きましょう。)

今夜と23日の夜は、烏丸通で「カラスマ街のあかり」というイベントが行われています。竹の灯篭にLEDのキャンドルで通りを優しく照らします。六角堂の夜間拝観も行われ、キャンドルのモニュメントもあります。嬉しいのは国民文化祭のキャラクター「まゆまろ」にもう一度出会えること。竹灯籠にもまゆまろが描かれたものがありますので、探してみて下さい。運がよければ、本物にも出会えるかもしれませんよ。また、各場所を回ってスタンプを集めると、抽選で景品も頂けます。私も缶ビールを頂きました。夜が最も長い今日明日に、こうして夜のあかりを楽しめるのもまた嬉しいことです。

クリスマス寒波へ

さて、今夜からクリスマス寒波の襲来です。京都の22日11時発表の週間予報では、23日・25日・26日に雪マークがついています。この後、23日早朝が市街地でも雪の降りやすいタイミング。ただ、今回の寒波は「降る」と「積もる」は別物であることが注意点です。雪の舞いやすい時間帯は確かにあるものの、「しっかり積もります」と目先は言い難いのが特徴。気象台が22日夕方に発表した情報では、22日18時から23日18時までに予想される24時間降雪量は、平地(京都市街地)の多いところで「1cm」です。23日朝の段階では、積もっても「うっすら」でしょう。

市街地では23日朝の雪で積もらなければ、23日日中~24日で雪の舞う時間帯はあっても、積雪につながる可能性は高くはありません。メインは25日~26日にかけて。こちらの方が積もる可能性は高そうです。週明けの交通にも影響する可能性があるため、最新情報にご注意ください。

3か月予報

22日は3か月予報の発表日。通常は毎月25日ですが、休日の場合は前倒しで発表されます。今回は来年の1月から3月。注目は冬の予報に変化が無いか。そして3月の予報は桜の時期にも影響します。さて、どうなったか。
まず、1月の予報はこれまでの「低温傾向」の予報から「平年並」に修正されたといってよいでしょう。寒波の源となる大陸の冷たい空気は、放出期と蓄積期があります。すなわち一旦南へと放出されてしまうと、しばらく寒気をためる期間が必ずやってきます。12月で例年より早めに真冬並みの寒気が出てしまえば、その分どこかで寒気の放出が抑えられる時期が来るのが一般論。今回1月の気温予報は近畿地方では、「平年並」が40%。「高い」と「低い」がともに30%。近隣地域を見ると、近畿より西では同じ配分ですが、東海・関東・北陸では「平年並」が50%に上がり、「低い」は20%、「高い」は30%と、平年並からやや高いという線が示唆されています。資料では、西日本ほど平年よりも寒気の影響を受けやすい見込みです。

一方、2月・3月は西日本ほど低温が示唆されています。特に2月は北陸・関東よりも西では、全ての地域で「低い」「平年並」が40%ずつ。「高い」となる可能性は20%と低めです。また、3月は近畿より西では「低い」40%、「平年並」「高い」が30%で、こちらも平年より低い可能性が示唆されています。現時点での資料を見る限り、西日本では桜の開花が遅くなる可能性が高そう。季節予報は、現実にはふたを開けてみなければ・・・というところも大きいですが、春の予定を組む際は一つの参考にはなるでしょう。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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