雪化粧の京都 平安神宮・龍安寺の石庭


26日朝は、市街地でもうっすらと雪が積もりました。本日は、雪化粧の京都をようやくお届けできます。

さて、昨晩からの雪は岐阜や名古屋にも積雪をもたらしました。関ヶ原では雪の重みで木が折れて停電し、新幹線が止まってしまいました。昨晩の岐阜の湿度は95%もあり、気温は0℃より少し上。雪で降るのも積もるのもギリギリといった状況の下、積もったのは水分の多い重い雪でした。京都では、朝方に少し降り、屋根を中心に一時的に街を白く染めました。ただ、気象台での積雪は観測されておらず、うっすら積もった雪も昼頃には跡かたもなく消えたところがほとんどでした。

京都の雪と言えば、テレビでも毎年放送されるのが金閣寺。雪の世界は白に包まれるため、より一層「色」が引き立ちます。金閣寺では光の反射も相まって、普段よりも黄金色が鮮やかに輝いて見える気がします。金閣寺は京都の北部山沿いにあり、市街地南部よりは積もる頻度は多め。なお、この写真は昨年のものです。

今回は平安神宮と知恩院、八坂の塔、北野天満宮、龍安寺、鷹峯へと走って来ました。雪の日は「色」が映えますので、朱色の建物が多い平安神宮も大変おススメです。開門は朝の6時から。今の時期はまだ日の出る前から門が開いており、白に包まれた美しい境内を通って参拝することができます。金閣寺の拝観は9時からですので、その前に行ってみるのもよいでしょう。平安神宮へは地下鉄東山駅からが近く、金閣寺へは地下鉄の北大路駅からバスで行くとスムーズです。

知恩院の御影堂の屋根も雪化粧をしていました。御影堂はまさに本日から、建造以来約370年で初めての大修理に入ります。早朝はまだ工事の方々が集まっている段階で、こうして工事前最後の雪化粧を眺めることができました。工事の完了は8年後の平成30年の予定。当分見られないかもしれない、ありがたい光景でした。なお昨日は、御影堂に安置されていた法然上人の尊像が阿弥陀堂へと遷座されました。僧侶の皆さんがお念仏を唱え、厳かな雰囲気の中で行われました。

北野天満宮では、影向松(ようごうのまつ)にその年初めて雪が積もれば初雪祭が行われます。社伝では、初雪の日に天神様(道真公)がこの松に降り立って雪見の歌を詠むとされ、初雪祭では筆・硯・墨や短冊が松の前に供えられます。今朝の雪は影向松にもうっすらと雪を積もらせていましたが、この日の初雪祭は見送られました。よほどしっかり積もらないと、道真公は降りて来られないようです。また、初雪祭が行われる期間は「三冬の内」。すなわち立冬から立春までの間で、もう残りは1か月と少し。近年のヒートアイランドの環境では初雪祭が行えない年もありそうですね。残念なことです。

龍安寺の石庭も雪が加わると美しくなります。ただ、石庭はあまりしっかり積もると石が埋まって行きますので、ほどほどの積雪の時に行かれるのがよいでしょう。龍安寺は山際で石庭は比較的日陰の多い場所にあるため、周りが溶けていても雪が残っていることがあります。この日も、鏡容池の辺りはほとんど溶けていましたが、石庭の土塀に近い側は美しい雪化粧を残していました。石庭の様子は最後に動画もあります。現地の音もそのまま入れていますので、雰囲気をお伝えできれば幸いです。

なお、その他の写真はFacebookにて公開しています。どうぞご覧ください。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

「雪化粧の京都 平安神宮・龍安寺の石庭」への2件のフィードバック

  1. 雪化粧の京都とても綺麗です。雪の平安神宮も美しいですね。雪が降ったりすると寒いですが、景色をみていると、冬の京都も行ってみたいなと思ってしまいます。

    1. 抹茶さん
      いつもコメントありがとうございます。
      昨日は本当に化粧をしたような光景でした。
      確かに寒いのですが、美しい光景に出逢えた時は
      「早起きは三文の得」だなぁと思いますね。
      四季折々にそれぞれのよさがありますので、
      冬の京都も楽しめる場所がたくさんありますよ。

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