京都十六社朱印めぐり 元日制覇!


さて、今年の1月1日に、早速京都十六社朱印めぐりを全て回ってきました。今回はその様子や神社の特徴などをレポートします。

まず最初に前置きをば。この京都十六社朱印めぐり、そもそも1日で回るようなものではありません。通常はじっくりと京都の散策を楽しみつつ、1日に4-5か所程度で巡るのがちょうどよいかと思います。地図で場所を調べて径路を考えつつ、時には道に迷いながらたどり着く、といったイメージです。ということで、決してお勧めはしませんが、1日でしかも元日に全て巡ることも可能だという例として、またこれから巡る方の参考になれば幸いですので神社の見どころも簡単にまとめています。なお、昨年も一昨年も十六社朱印めぐりは行っていて、当時は2日間かけてめぐりました。その時から1日でも不可能ではないなと感じており、今回は年頭に京都旅屋の発展を祈願し、さらに元日の京都の初詣の状況を一気に見てしまおうという目論見で挑戦をしてみました。

十六社朱印めぐりは、一年の初めに京都各地に点在している16か所の神社を巡って専用の朱印帳に朱印を集め、あらゆるご利益を頂くというものです。その範囲は広く、西は長岡天満宮、南は御香宮神社、北は今宮神社とまさに京都一周。京都の散策をじっくりと楽しみたい方にもお勧めです。朱印は1か所300円(つまり16か所で4800円)、期限は2月15日までで、午前9時~17時まで受け付けられています。

1日(9時~17時の8時間)で16か所を巡るには、30分に1か所のペース。駅などから遠い場所も多く、短時間で効率的に巡るには戦略が必要になります。フライングで朱印を授与して頂ける神社もありそうですが、それでは検証になりませんのできちんと午前9時から始めました。結論から言いますと、17時までに16社のみならず、伏見稲荷大社・八坂神社・平安神宮・下鴨神社・平野神社・北野天満宮にも参拝を果たしました。さらには若一神社や玄武神社などの途中にある小社や、六波羅蜜寺にも立ち寄って皇服茶も頂きました。長岡天満宮までは電車で、それ以外は全て自転車移動です。元気に自転車をこぐ体力と恵まれた天候が必要かもしれませんが、やる気にさえなれば、十分なんとかなるでしょう。なお、バス移動では、乗換えや徒歩を考えると1日制覇は厳しいかもしれません。自家用車でも可能そうですが、駐車場が無い神社や交通規制もあるので、思いもよらぬ苦労があると思います。

さて、出発地は最も遠い長岡天満宮。ここだけはあまりに離れているので午前9時で朱印を頂けるように向かいます。ちなみに元日の早朝には京都タワーで初日の出を見、その後朝食をとって西院駅から阪急電車で向かいました。長岡天満宮は、朝9時から大賑わいです。境内ではお神酒や甘酒の授与もあり、頂いている方も大勢いました。学問の神様ということで、受験生と思しき方々も多数見かけました。私は1か所目の朱印帳とご朱印を頂き、阪急で西院駅に戻ります。西院駅からは全て自転車移動です。

2か所目は、西院春日神社。こちらは病気平癒・厄除けの神社として、古くから皇室の崇敬も厚い神社です。平安時代の淳和天皇の娘が天然痘(疱瘡)を患った際に祈願をかけると、本殿前の石に疱瘡が生じて病がよくなったといわれています。毎月1日・11日・15日にはその疱瘡石が公開され、元日のこの日も拝殿の前に置かれていました。人出はそれほど多くはありませんでした。

3か所目は六孫王神社。そうです、西院春日神社から南を目指し、自転車でぐるりと京都を一周してゴールを「わら天神」に定めたわけです。さて、六孫王神社に祀られているのは源氏の祖ということで、出世開運・家運隆昌のご利益です。途中、西大路八条にある若一(にゃくいち)神社にも立ち寄りました。こちらは源氏に対する平家の平清盛の邸宅内にあったとされる神社。清盛手植えといわれる大きな楠が道路に残された場所にそびえています。この楠には近代に不思議な話があるのですが・・・今回は書くのをやめておきましょう。

4か所目は吉祥院天満宮。再び天神さんです。面白いのは能力開発のご利益で、お守りもあります。また、境内には道真の祖父が遣唐使として海を渡った際に霊験を得て祀ったという吉祥天もあります。934年に朱雀天皇の命により創建された日本最初の天満宮ともされていますが、社伝の数字上では水火天満宮の923年の創建の方が古く、さらには京都以外にも最古を名乗る場所もあります。ここに触れるのは「歴史は諸説ある」という、結論の出ない議論になるのかもしれませんね。さて、境内では見事な葉牡丹も展示されていました。広くて明るい印象の境内です。

5か所目は御香宮神社。ご利益は安産・厄除け・病気平癒・家内安全などです。神功皇后をはじめ複数の神様が祀られており、伏見では中心的な神社です。境内は大賑わいで、鈴を鳴らして参拝するための列が非常に長く伸びていました。まともに並んでいては1日で16か所は到底回れませんので、鈴を鳴らさずに参拝を行います。鈴は神様に参拝に来たことをお知らせするためのものですが、周りの方々がひっきりなしに鳴らしてくれていますので、その横で参拝をすれば問題はないでしょう。

6か所目は藤森神社。勝運と馬の神様ということで、競馬関係者の崇敬も厚い神社です。5月5日の駆馬神事ではアクロバティックに馬に乗って行く様子も見ることができます。こちらも大いに賑わっていました。勝負のご利益は、ここが菖蒲の節句発祥の地であることから転じて信じられるようになりました。ご祭神も豪華で、御霊信仰も伺えます。創建はこの十六社めぐりの中でも最も古いと思われ、平安遷都以前からの信仰の地です。

7か所目は新熊野神社ですが、途中で伏見稲荷に立ち寄りました。その様子などは、少し前のブログで書いていますので、よければご覧ください。伏見稲荷を終えた時点で昼を回り、コンビニでお昼を買って食べました。さて、新熊野と書いて「いまくまの」と読みます。ずいぶん前のことですが、読みでは知っていても漢字が「新」だということを知らず、京都検定2級の問題を間違えたことを今でも見るたびに思い出します(笑)神社は、京都三熊野の一つで、十六社めぐりにはこの三社が全て含まれています。ご利益は健康長寿・病魔退散で、特にお腹守護とされています。お腹守護は、境内にある創建以来の大きな楠に由来し、植えた後白河上皇のお腹の病を治したと伝わります。お腹守護のお願いは楠にされるとよいでしょう。また、創建時には清盛が熊野から土砂を運んだといわれています。今年は注目を浴びることもあるのかもしれませんね。

8か所目は豊国神社。ご存じ、豊臣秀吉が祀られています。ということで、ご利益は出世開運ですが、他にも良縁成就や商売繁盛も掲げられており、秀吉の人となりからその由来を想像してみるのも面白いかもしれません。この日は、唐門が開放されており、普段よりも近づいて直接本殿を拝むことができました。貴重な機会です。

9か所目は市比賣(いちひめ)神社。女性の厄除けのご利益で知られ、境内は女性を中心に賑わっていました。ご祭神は宗像三女神と他二柱で、全て女性神です。元は平安京の市場(東市)の神として祀られていたため、神社に「市」の名が残されています。こちらでは、境内奥の「天真名井(あめのまない)」も忘れずに見に行ってみて下さい。願い事が一つだけ叶う「一願成就」の井戸と信じられ、それぞれの願い事が書かれた可愛らしい姫だるまもたくさん置かれています。

10か所目は粟田神社。十六社の中では最も眺望がよい神社でしょう。その分、階段を上らねばなりませんが、眺望を楽しみにして頑張りましょう。ご利益は厄除けと旅立ち守護。旅立ち守護は、この地が江戸時代の東海道の出発点にあたるためです。厄除けは、ご祭神が八坂神社と同じであるためです。祇園感神院と呼ばれた八坂神社の新宮とされ、鳥居には粟田神社ではなく「感神院新宮」の額も上がっていますので注目してみて下さい。

11か所目は熊野若王子神社。京都三熊野の一つです。哲学の道の入り口にあるためか、ご利益に学業成就があります。商売繁盛のご利益は、本殿向って左側の恵比寿様にまつわるもので、こちらの恵比寿像はもともと夷川通で祀られていたものとされています。つまり、洛中の夷川通の元祖の恵比寿様。こちらにも忘れずにご参拝されるとよいでしょう。

12か所目は岡崎神社。昨年は兎年で元日から外にあふれるほどのすごい人出でしたが、この日はちょうど一年前とは裏腹に、人が少ない境内。一年でこれほど変わろうとは・・・。岡崎神社は、平安遷都時に都の東=兎の方向を守るために祀られたのが始まりです。また神社の付近には野生のウサギも多かったといわれ、そのような理由から神の遣いがウサギとされました。境内はウサギの狛犬など、可愛らしいものがあちこちで見られます。ご利益は多産のウサギにちなんで子授け。安産は、平安末期に中宮の安産祈願がされた由緒もあります。

13か所目は熊野神社。京都三熊野の一つです。他の熊野神社よりも創建が古く、聖護院の鎮守社ともされました。ご利益は縁結びで、イザナギ・イザナミの夫婦が祀られていることによります。ただ、これは他の熊野神社でも同様。ご利益を区別をするために、京都三熊野で最も古いこの神社にあえて縁結びを掲げているのでしょう。また、境内には八ツ橋発祥の地の石碑もあり、近くの本店まで足を延ばしてみても楽しいかと思います。

14か所目は上御霊神社。途中、下鴨神社や八坂神社・平安神宮などの寄り道については今回は触れていませんが、既に時刻は16時前でした。単に十六社だけならばもっと早く、この時間までには終わらせることも可能でしょう。さて、上御霊神社は驚くほどの長い参拝の列が続いていました。地元の方々の厚い信仰を集めているようです。地元の方から以前に伺ったのは、上御霊神社に参拝する際には日ごろの感謝はするが、お願いは見返りを求められるので基本的にはしないと聞きました。お願いをする際は、きちんと昇殿をして祈祷をしていただくそうです。そのお話からは鎮霊の社としての厳かさが感じられました。

15か所目は今宮神社。厄除けの神社として知られています。平安遷都以前から疫神を祀る社があったそうですが、ちょうど1000年ほど前に都に疫病が流行った際、当時の天皇が船岡山でこの疫神を神輿に奉じて祈りました。その後、再度の疫病流行時には現在地に新しく社殿を築き、古い社(宮)に対して今宮と呼んだのが名前の由来です。境内には、「玉の輿」に由来するお玉さんのレリーフ像もあります。玉の輿お守りもありますので、未婚の女性にはおすすめでしょうか。なお、元日の境内は大いに賑わっていて、あぶり餅屋さんも開いています。新年に厄除けのあぶり餅を頂くのを恒例にされている地元の方もおられるのかもしれませんね。

最後の16か所目は、わら天神。正式名は敷地神社です。安産の神社として名高く、この日も小さな赤ちゃんを抱いた方を見かけました。授けられる「わら(藁)」のお守りに節があれば男の子、なければ女の子が生まれるといわれています。ご祭神は、木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)で、一夜の契りで三人の子を身ごもったとされ、なんと出産は産屋に火をつけて・・・と、安産と言ってよいかは受け取り方次第かもしれませんが、いずれにしても三人の子を無事に産んでいます。また、本殿のとなりには六勝神社という縁起の良い名前の摂社もあり、入試合格・心願成就の神として信仰を集めています。合わせてご参拝されるとよいでしょう。

さて、これにて十六社朱印めぐりはすべて完了。記念品の干支の置物を頂きました。時刻は16時半。まだ17時までには余裕があったので、平野神社と北野天満宮にも参拝しました。元日だけで25社程の神社を巡り、北野天満宮には未明とあわせて2回も参拝しました(笑) これであらゆるご利益を授かることが出来たはず!? いずれにしても、元日に京都中の神社を巡ったのは大いに価値があったと思います。人の動きもよくわかりました。今年の京都旅屋の発展を願いつつ、神頼みだけではなく日々努力も続けて行きたいと思います。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

「京都十六社朱印めぐり 元日制覇!」への5件のフィードバック

  1. 京都十六社朱印めぐり、すごいなと思いました。元旦にすべてまわってこられたとのこと、各神社のご利益にまつわるお話も京都で観光に訪れる時の参考になります。

    1. 抹茶さん
      コメントありがとうございます。
      十六社朱印めぐりの神社は比較的知られていない場所が多く、
      普段はそこだけを目的に訪れることは少ないかもしれませんね。
      有名な神社だけで無いことが、京都を好きになってきた方には
      魅力になっているようです。

  2. 最高です(^o^)v
    冬の京都3年目の未熟者ですが
    主人の干支でもあることから今週末に16朱印めぐりを計画
    時間の都合上1日で制覇したいと考えていたところ ブログ発見
    感動ものです
    参考にさせて頂きます
    出来れば詳しい情報を教えて頂けないでしょうか?

    1. プーさん
      コメントありがとうございます。
      ご返信が遅くなってしまいました。
      一日での制覇はかなり効率的に回らないのいけませんので、
      できれば待ち時間のある公共交通機関よりも、車がよいでしょう。
      長岡天満宮のみ離れていますので、朝9時前の段階で
      まずここだけ先に電車などで押さえておいて、その後、
      残りの15社を京都中を円を描くように回って行くという手がよいと思います。
      頑張って下さい!

  3. 四国に住むものです。これを見て、十六社めぐりしたいと思いました。自転車ではそれほど土地勘のない私には無理でバス、電車、徒歩で回ることにしました。2年前から正月明けからまわっています。1日ではさすがに無理で、それでも離れている長岡天満宮のみ残して1日15社まわっています。来年は都合があっていけませんがさ来年(2017年)はお正月に行こうと思っています。お正月の京都めちゃくちゃ気が早いですが楽しみにしております。今度は他の所も行きながら3日くらいかて回るつもりです。

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