須賀神社の懸想文(けそうぶみ)売り


2日・3日は京都は節分の行事一色になります。それぞれの社寺にユニークな行事がありますが、須賀神社懸想文(けそうぶみ)売りも、若い女性を中心に人気を集めています。

最初は気象の話です。昨日のブログで書いた2日の京都の最高気温の件は、2.4℃まで上昇しました。これでも相当な低温ではありますが、2010年12月31日の1.7℃を上回りました。京都の天気は雪が風花(かざはな)として舞う程度で、市街地では積もるようなことはなく、晴れ間も十分ありました。そのため、気象台の見立てよりも気温が上がったのでしょう。今シーズンの京都市街地は本当に雪が積もりません。気象台で観測ゼロの記録は詳しく調べていませんが、世間がこれだけ大雪で苦しんでいる環境の下では、珍しいことでしょう。4日には立春を迎えるため、北野天満宮の初雪祭は行われないことがほぼ確実で、天神さんは雪見の歌を詠むことなく冬を終えることになるでしょう。

一方、山間部の美山では、今日(2日)の最高気温が-1.5℃と、終日気温が氷点下の「真冬日」となることがほぼ確実です。また、京都府北部の舞鶴では1947年の観測開始以来の記録を更新する、87cmもの積雪を記録しました。名古屋も朝方に僅か2時間で9cmも積もり、一時積雪は15cmを記録しました。2時間で9cmという数字は、太平洋側の平野部としては非常に激しい降りようで、名古屋周辺の方々はみるみる積もる雪にさぞ驚いたことでしょう。京都が1cmも積もらないのが不思議ですが、雪の予報はそれだけ難しい・・・。準備をされた方、申し訳ありません。

さて本題です。須賀神社は聖護院地域の産土(うぶすな:土地を守護する神)で、交通神社があることでも知られています。懸想文(けそうぶみ)とは聞きなれない言葉かと思いますが、いわゆる恋文、ラブレターのことです。江戸時代になると、恋文に似せて縁起のよい言葉を書き連ねて、お正月に売るようになりました。この懸想文をタンスや鏡台の引出しに人に知られないように入れておくと、なんと!!顔かたちがよくなり、さらには着物が増えて良縁にあずかれるといわれています。これはうら若き女性に飛ぶように売れるはずですね。

懸想文売りは、一見怪しげな姿。これにはわけがあります。昔は相手の顔を見ることなく、まず恋文(懸想文)によって相手の良し悪しを判断していました。しかし当然、恋文にも得手不得手があり、庶民であれば文字も書けない。このように困っていた人のニーズから生まれたのが「代筆」の仕事。古文や和歌などの教養があってもお金が無い貧乏公家には、ぴったりのアルバイトだったのです。しかし貧乏公家にも家柄やプライドはある。ということで、烏帽子・水干で公家の装束をしながらも、顔を人に見せないように覆面姿をしています。なんだか涙ぐましいですね。肩にかけているのは梅の枝。昔は梅の枝に文を付けて売り歩いていたからだとか。旧暦の正月は立春をはさんだ前後15日の間で幅があるので、新年立春の遅いころ(=正月が早いころ)だと花の咲いた枝を手に入れるのに苦労したのではないかと思いますが、梅の枝で新春の風情をかもしだすとは、なんともお公家さんらしい。今もその名残で、ちゃんと持っている枝には文が結びつけられています。

懸想文は1000円。私は買ったことがないのですが、他のブログの写真によると、中もとても綺麗。書かれている文章は毎年変わり、楽しみに買いに来られる方もいるようです。3日も売られていますので、縁を授かりに行かれるのもよいかもしれません。なお、今日(2日)は須賀神社で豆まきも行われました。豆まきの前には、見事な剣技の披露などもあり、近日中に改めてご紹介できればと思います。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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