積雪の京都 真如堂・哲学の道界隈


18日の京都は、今シーズン初めてのしっかりとした積雪となりました。昨日は平安神宮の朝日をご紹介しましたが、今回はその続き、積雪の真如堂哲学の道界隈の様子をお届したいと思います。

平安神宮で朝日に感動した後、続いて向ったのは岡崎神社や金戒光明寺、真如堂、そして哲学の道沿いの社寺です。銀閣寺は、まだ拝観開始前で、商店街や門前で雪かきをされている方々が印象的でした。雪の京都を安全に楽しめるのも、こうして朝早くから雪かきをして観光客の足元を確保して頂けるからこそ。本当にありがたいことです。

さて、岡崎神社といえば、狛犬ならぬ狛兎。少し控えめに雪をかぶっていました。また、金戒光明寺では「アフロ大仏」として知られる五劫思惟の阿弥陀如来像が・・・さらに3割増しで髪の毛が増えておられます。雪の状況を見ると像の前に立ったのは私が最初で、ありがたいお姿を拝見させていただきました。金戒光明寺でもお坊さんたちが除雪に精を出しておられました。

紅葉の穴場としてご紹介した栄摂院も、雪姿はまた美しい。白と黒、そして静けさに包まれた境内は、まさに立体の水墨画。時を越えて風景が目に飛び込んできているかのようです。きっと雪景色は古の時代に最も近い風景なのではないでしょうか。京都のお寺の雪景色では、まさにこのような白と黒の世界を楽しむことができます。

真如堂では門から朝日が差し込んで輝いていました。こちらも大変美しい!お寺には恐縮ですが、神々しいとはまさにこのこと。斜めから差し込む日差しは雪を黄金色に染め、そこには神秘的な何かを感じずにはいられません。雪の朝ならではの抜群の光景です。

境内も一面の雪景色。真如堂は紅葉で知られるお寺で、三重塔から参道側の場所には手の届きそうな高さのもみじの木があります。淡い青空の下、白い枝々に包まれてそびえたつ塔は、芸術作品のような存在感に満ちていました。

銀閣寺の参道を経て、次に向ったのは法然院。静かな佇まいが人気のお寺です。茅葺屋根の山門は期待にたがわぬ光景で、門をくぐると見える盛り砂には、砂に描かれた派紋がそのまま白い線となって浮かび上がっています。高い木、低い木、建物に橋、長い参道、門から覗く境内、それら様々なものに雪が積もり、立つ位置によって変化に富んだ風景を楽しむことができます。

安楽寺の門前を抜けて哲学の道へ。もう2カ月も経たないうちに桜が満開となって人々を笑顔へと誘う場所です。まだつぼみの固い桜の木々も、この日は一味違った華やかさをまとっていました。かの学者も、このような雰囲気の道を歩いたのやもしれません。

哲学の道沿いにある大豊神社。岡崎神社が狛兎ならば、こちらは狛ねずみに、狛とんび、狛さるもいます!それらも雪をかぶって面白いのですが、それよりもなによりも、境内に入った時の後ろの山々の存在感にまず圧倒されました。雪が降らないと感じることのできない感覚です。まさに神々が山に降臨する、山々に向かって社殿が作られるとはこういうことかと、思わせてくれました。雪の日にはおすすめの場所です。

続いて熊野若王子神社へ。再び日差しが出てきて輝く社殿がなんとも美しい。門前では神社の方が雪かきをされておられました。

そして、今日のブログの最後は、紅葉の名所で知られる永観堂!中へは入りませんでしたが、木々の多い境内の光景はさぞ美しいことが想像できます。私が目に付いたのは、道路から門をくぐってすぐの場所にある大きな木。恥ずかしながら、今まで気にとめたことがなかったのですが、白黒の世界の中では、抜群の存在感を放っています。色彩を制限された世界では、普段は見えないものも見えてきます。

以上、続きは次回へと。他に今回訪れたのは、南禅寺、知恩院、円山公園、八坂神社、高台寺、八坂の塔、清水寺、東福寺、伏見稲荷、そして大原です。ブログではあと3回程になりそうです(笑)僅か一日の出来事ですが、得られた感動は数年分に値するでしょう。よければお付き合いください。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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