積雪の京都 大原 三千院・来迎院


18日の積雪の京都。今回が最終回。大原三千院来迎院、そして美しい夕暮れの様子をご紹介します。

25日は北野天満宮の梅花祭が行われました。朝から雨が降る日でしたが、今年は土曜日とも重なり、舞妓さんの野点席へは大変長い行列が続いていました。境内の梅は遅れてはいますが、早咲きの梅はほぼ見頃で、赤や白の鮮やかで美しい色合いを見せてくれます。ゆっくりでも確実に歩みを進めていますね。

さて、前回のブログでは大原の実光院までをお届けしました。続いて向ったのは三千院です。三千院は大原を代表するお寺で、往生極楽院の阿弥陀三尊、見るお庭・歩くお庭をそれぞれ楽しめ、苔や石仏も趣が深く、アジサイも知られています。そして雪景色もまた素晴らしく、広い境内をつつむ水墨画のような光景は、古と変わらぬ大原の山里の風景を伝えているかのようです。

座って眺める最初のお庭、聚碧園(しゅうへきえん)は、客殿のガラス窓が閉められ、他の季節とは雰囲気が全く異なっています。縁側に出てお庭を見るのまた普段とは違った趣があります。雪をかぶった段々の植え込みが強弱のある印象を与えてくれました。

本堂である宸殿を経て、普段は苔の美しい有清園(ゆうせいえん)へと歩いて行きます。苔の緑を覆い尽くす白の世界。傾きゆく日差しに、しんしんと降り出した雪。往生極楽院の阿弥陀三尊の輝きは、いつにもまして鮮やかです。現代人でもこれほど美しいと思えるならば、きっと昔の人々はさらなる感慨を抱いたのでしょう。

金色不動堂や観音堂を経て、売炭翁と呼ばれている鎌倉時代の石仏を参って、戻ります。林の中をゆっくりと歩いていると、深い山の中にでも来たように感じます。雪が作り出す光景は、日常を非日常に変え、自然との距離を近くしてくれるように思います。

三千院を出て、最後に向かったのは来迎院。この辺りは、目的がないとなかなか訪れない場所かもしれません。大原は、今から1000年以上も前から天台宗の声明(しょうみょう)の一大道場として栄えた土地。声明とはお経に音曲をつけ、歌うように唱えるものです。その音色は大変美しく、近年では声明のコンサートも行われるほど。あらゆるメロディにあふれる現代でも、十分に人々の心に響くものです。来迎院はその声明発祥の道場で、今ではひっそりと建っていますが、最盛期には辺りには50近くもの修行道場が立ち並んでいました。

来迎院にはさすがに拝観終了間近ということもあってか、私しかいませんでした。趣のある赤い門をくぐり、受付をすまして、階段を上って少し高台にある本堂へとやってきました。本堂は信長や秀吉の時代よりも前に建てられ、内部のご本尊は平安時代の創建当時からのものと伝わります。三千院の往生極楽院も素晴らしいですが、来迎院の仏像もまた素晴らしい。何より、近くで心行くまでじっくりと眺めることができます。さらに、内陣の天井には極彩色の絵が鮮やかに残されていて、荘厳さも兼ね備えています。ご本尊の前でも声明が長い年月奏でられてきたのでしょう。

こうして昔ながらの雰囲気を堪能して、帰路につきます。ちょうど日の入りが近かったので、大原の里を散策してみました。一面の雪は辺りの音を包み込んで、静寂の世界を作っていきます。今日見てきた京都の光景を思い出しながら、日の入りが望める場所へとやってきました。早朝は平安神宮から東山に昇る朝日を眺め、こうして夕暮れも大原の一面の銀世界の中で眺めることができる。どちらもちょうど雪が止んで、運が良かったと思います。道中も数々の美しい風景と巡り逢うことができました。雪の京都は特別で、出逢える景色はまさに一期一会。次回もまた、素晴らしい光景を見せてくれることでしょう。

さて、ブログではわずか一日の出来事を一週間にわたって書いてきました。いつもながらの拙い文章で恐縮ですが、私の感動を少しでもお伝えできていれば幸いです。実は何カ所かで動画も撮影してきました。写真とはまた違った雰囲気がありますので、いずれどこかでご紹介したいと思います。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

「積雪の京都 大原 三千院・来迎院」への2件のフィードバック

  1. はじめまして~
    いきなりですが 大原ですか~
    シェアさせていただいても 良いですか?
    四季 色々 教えて頂けますか?
    もう一度 ノンビリ お邪魔させて頂きたい~
    いっぱい 連れて~
    足立 右幸

    1. 足立さん
      コメントありがとうございます。
      はい、シェアいただいても大丈夫です!
      大原も四季折々に美しいですね。

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