積雪の京都 大原 宝泉院・実光院


18日の積雪の京都。今回は大原の宝泉院実光院の様子です。

極寒の世界が遠い昔のように、今日(24日)は暖かい陽気となりました。遅れているといわれる梅も、少しづつ花を開いています。泉涌寺の雲龍院を覗くと、参道の梅が咲き始めていました。今年は京の冬の旅で特別公開も行われています。早春には梅が美しく、丸窓ごしに眺めるのもお勧めの一つ。もう少し時期を見て訪れてみようと思います。

さて、18日の積雪の京都。今回は大原です。京都駅からバスでおよそ1時間。と書くと、遠いイメージがありますが、京都駅から金閣寺までも40分ほどかかるので、わずか20分の+αで行けるならばなんと近いことでしょう。市街地の雪は解けていましたが、大原ではまだまだ一面の雪景色でした。時刻は15時。拝観終了時刻を考えて、寂光院は諦めて三千院周辺を回ることにしました。

まずは宝泉院。人気の高いお寺で、五葉松や見事な竹林のあるお庭・盤垣園を座って眺め、ゆったりとした時間を過ごせるのが人気の理由です。盤垣園には、立ち去りがたいお庭という意味があり、座ってお抹茶も頂ける空間はまさにその言葉を実感できるでしょう。柱と柱の間を額に見立てる額縁庭園は、訪れるたびに枠の中の風景を変化させ、四季折々に楽しませてくれます。この日は、若者を中心に賑わっていて、血天井などを解説して頂ける方もいらっしゃいました。

見事に雪をまとった五葉松。各方向へと伸びるどっしりとした枝ぶりは、歴史の深さを感じさせます。それもそのはずで、樹齢は700年余りを数える、京都でも有数の古い松。幾多の冬の積雪を乗り越えて、今もこうして素晴らしい光景を見せてくれるのは、本当にありがたいことです。

まさに立ち去りがたい気持ちを抑えつつ、次に向かったのは実光院。私の大好きなお寺です。宝泉院と同じように客殿からお庭を眺めつつお抹茶を頂くことができます。ただ、大きな違いは人の少なさ。今回訪れた時間帯は、私一人で静かにその美しすぎるお庭の様子を楽しむことができました。宝泉院では窓が外され、外と変わらない空気感がありましたが、この実光院ではガラス窓が締められて、暖かい室内からお庭を眺めることができます。

雪深い大原では、まだ雪が降ったりやんだりを繰り返していました。しかし、実光院を訪れた時間帯には次第に雪が止み、なんと窓から日差しが差し込み始めました。あれほどしっかりと雪が降っていたのが嘘のようです。窓から差し込むやわらかい日差し。室内に伸びる窓枠の影は、始めはぼんやりとしていたものが、やがてはっきりと模様を描き、そして消えて行きました。静かな室内に、美味しいお抹茶とお菓子。贅沢極まりないとはこのことでしょう。感動的な光景が広がりました。

実光院では、お庭を散策することもできます。日差しが戻ってきたうちに歩いてみました。秋から冬にかけて花を咲かせる不断桜は、雪の中でもピンクの花をチラホラと開き、頑張っていました。優しい西日を浴びたお庭の輝きは、息をのむほど美しく、静寂に包まれた空間は寒さをも忘れさせてくれました。

さてこの後、三千院と来迎院にも訪れました。長々と書いてきた、積雪の京都のご紹介もいよいよ次回で最終回。今シーズンはこの日が最初で最後のしっかりとした雪になるやもしれません。今しばらく、お付き合いください。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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