東福寺 大涅槃図


16日まで公開されていた東福寺大涅槃図を見に行ってきました。

涅槃図の時期になると、いよいよ京都の桜ももうすぐだと感じます。2002年には3月18日がソメイヨシノの開花日でした。2009年にも開花日が3月19日。平年の開花日は3月28日ですが、金曜日(16日)に発表された近畿の1か月予報では、3月下旬に寒くなる可能性が高く、今年は開花が4月をまたぐやもしれません。いずれにしてもあと二週間もすれば咲きだすことになり、満開の春も今一歩のところまで来ています。

東福寺に面した本町通には、アーモンドの木があって、桜のような花をすでに咲かせていました。この木は京阪電車からも見えるため、一足先に春を告げる木として人気を博しているようです。アーモンドは桜属で、桜と似た花も頷けます。また枝にくっついて咲くため、桃のようにも見えます。

東福寺の大涅槃図は、縦12m横6mもあり、その大きさは圧倒的です。東福寺の涅槃図には一般的には入らない猫が描かれていることで知られ、涅槃図を描いた明兆(みんちょう)の傍らにいつも猫がいたからだといわれています。また、涅槃図のかけられる法堂の天井には、下へと睨みをきかす「蒼龍(そうりゅう)図」。絵を描いた堂本印象(どうもと いんしょう)は、少し描く度に足場に上って絵を離れたところから見、遠くから見られることを考えて筆を入れたそう。毎日朝から晩まで絵に向かい続け、半月ほどで描きあげました。龍は仏法を守り、水を呼ぶとされ、人知を越えた存在にふさわしい迫力感に満ちた絵となっています。

法堂の中には、かつて仏殿にあった高さ15mもの釈迦如来の手の部分が大切に置かれています。指の先端から手首までは2.2mと、人の背丈よりも大きく、往時の大きさが偲ばれます。高さ15mと言えば、奈良の大仏ほぼ同じ。惜しくも明治時代の火災で焼失しましたが、もし現存していれば、大いに信仰を集めたことでしょう。

東福寺の境内でも梅が見ごろを迎えていました。市内では各地で梅が見頃となり、春らしい甘い香りで人々を楽しませてくれます。京都は桜と並んで梅の木も多く、和の京都に似合う樹木の一つと言えますね。日脚も伸び、京都の日の入りは既に18時を回ってきまいた。一歩ずつ着実に、春の歩みは進んでいます。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

「東福寺 大涅槃図」への2件のフィードバック

  1. 東福寺の大涅槃図は迫力が伝わって天井の龍の絵は今にも動き出しそうなすごさを感じられます。アーモンドの花も美しいです。本当に桜の花に似ていますね。

    1. 抹茶さん
      コメントありがとうございます。
      禅寺の天井には龍の絵が多いのですが、
      中でも東福寺の龍の迫力は指折りですね。
      アーモンドの木は滅多に見ないですね。
      私も最初は桜かと思いました。

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