大豊神社 桜と椿と狛ねずみ


京都のソメイヨシノ、日当たりのよい場所ではどんどん咲き進んでいます。椿の美しい光景が見られるのが、哲学の道沿いにある大豊神社

昨日のブログにも書きましたが、哲学の道から大豊神社への参道入口には、一足早く満開となった桜が大変美しく咲いています。哲学の道沿いのソメイヨシノが満開になるには今少しかかるため、観光客の目を引きつけている桜。そこから大豊神社への道を進むと手水鉢(ちょうずばち)があって、いくつもの椿があしらわれています。哲学の道沿いには霊鑑寺や法然院など椿で有名なお寺がいくつもあり、散策をしていると藪椿も見かけます。法然院の美しい椿の手水鉢も人気が高いですが、大豊神社の手水鉢もなかなか美しいと思います。

大豊神社は四季折々の花の宝庫。参道や境内にいつも何かしらの花がある印象です。6日に訪れた時には、本殿前のしだれ桜が咲き始め、しだれ梅もまだ残っているため、梅と桜を両方楽しむことが出来ました。年によってはバッチリ両方を見ることもできるようで、神社にはそれぞれが綺麗に咲いている写真も飾ってあります。

また、境内は椿も見頃です。本殿後ろの山は椿ヶ峰で、神社もかつて椿ヶ峰天神と呼ばれていました。この辺りは古くから椿の名所として知られ、山もそこから名付けられたのかもしれませんね。いずれにしても哲学の道沿いは椿の美しい社寺が多くあります。大豊神社といえば、狛犬ならぬ狛ねずみが有名です。そして今の時期には可愛らしく椿の花飾りをつけた姿が恒例となっています。この姿は神社公認のようで、神社にも写真が飾られています。椿の花は毎回訪れるたびに変わっているので、置いているのは観光客かもしれません。また中には椿のない写真を撮りたい方もおられるため、椿が除けられている時もあります。

狛ねずみは大国主命(オオクニヌシノミコト)を祀る社の前に鎮座しています。神話によると、大国主が若かりし日(オホアナムヂと呼ばれていた頃)にスサノオの命で野原へ矢を探しに行った時、野に火を放たれて、大国主はピンチに至ります。そこにネズミが現れて「内はホラホラ 外はスブスブ(内側は空洞で、出入り口は狭い)」と、地面の下の空洞を伝え、そこに入った大国主は無事に炎をやり過ごすことが出来ました。しかもネズミは探していた矢まで見つけてきてくれたのです。このような云われから、大国主とネズミは深いつながりを持っています。向って左の狛ねずみが持つ玉のようなものは、子宝や長寿を表す水の器。「ねずみ算」でもネズミの子の多さは知られています。向って右の狛ねずみは巻物を持ち、学問を表わしています。恐らく神話に出てくるような、ネズミの機転・智恵から来ているのでしょう。

さて、京都の桜もだんだんと見頃の場所が増えてきました。昨日・今日とかなり寒い日が続いたため、やや足踏みですが、明日からの3日間は気温がグッと上がるため、一気に咲き進んできそうです。水曜から木曜の雨が一つのポイント。前回ほどではないにしても風が吹きますので、ここで散らずに残れば、来週末に満開や桜吹雪が見られるところも多くなるでしょう。遅咲きの紅枝垂れ桜は、まだつぼみから咲き始めのところも多く、来週末からが見ごろとなってきそうです。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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「大豊神社 桜と椿と狛ねずみ」への2件のフィードバック

  1. 京都の春の景色が素晴らしいです。桜にもソメイヨシノをはじめ今の時期にみられる桜もあって幅広く春を楽しめそうです。椿飾りの狛ねずみは可愛いですね。

    1. 抹茶さん
      コメントありがとうございます。
      ソメイヨシノも満開のところが増え、
      色とりどりの花が見られるようになってきました。
      今週末にかけて、春の華やかな京都に出逢えそうです。
      狛ねずみさんの椿は、毎回飾りが変わっているんですよ。

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