大田神社のカキツバタ


16日は無事に葵祭が行われました。行列が向かった上賀茂神社の近くにある大田神社の前、大田の沢には天然記念物の杜若(カキツバタ)が咲き誇っています。

今日は朝から御所の出発点に向かって、御所の建物に似合う行列を見送り、河原町通ではじっくりと眺め、下鴨神社を経て、賀茂街道でも行列を見、上賀茂神社の最後の神事まで見届けてきました。いろいろと面白い写真や動画も撮れましたので、いつか京都講座などで葵祭についてお話しする機会があれば、面白おかしく語ってみたいと思います。それにしても都大路をゆっくりと進む行列はやはり特別。理由の一つは行列がとても静かであることです。そんな中では、カッポカッポと響く馬の蹄(ひづめ)の音や、ギシギシとゆれる牛車の音が印象に残ります。また近いうちに動画でもご紹介できればと思います。

以前も少しご紹介した大田神社の杜若。こちらは1株で3回ほど花を咲かせ、トータルの花期も比較的長い花です。今は、一面に涼やかで清楚な青を見せてくれています。葉の鮮やかな緑とも相まって、最盛期の清涼感は本当に素晴らしい!「神山や 大田の沢の杜若 深き頼みは 色に見ゆらむ」と古歌にも歌われてきた杜若。色は恋愛(いろ)にもつながり、澄みきった杜若の青い色に、一途な思いを重ねています。こうして同じ場所で同じ杜若を見られるのは、本当に価値あることですね。.

壮観な光景の杜若。その数は2万5千株ともいわれます。杜若が咲く大田の沢は「雲ヶ畑の池と底が繋がっていて水が枯れたことがない」といわれるように、やはり水が絶えない場所で、平安時代から杜若が世代をつないでいるのも納得。しかしその維持・保全には毎年多額の費用がかかるそう。未来にもこの美しい光景を届けるために、300円程の志納金を入れるところも設けられています。

大田神社からも歩いて行ける深泥池(みどろがいけ)には、白い杜若も咲いています。こちらも清楚で美しい花。大田神社で杜若をご覧になった後は、深泥池まで歩いてみてもよいでしょう。深泥池も氷河時代の生き残りとされる植物や水生生物が天然記念物で、浮島があったりと面白い場所です。氷河時代の植物が生き残ってこれたのは、川ではなく雨水が流れ込む池だからと考えられています。

深泥池から山を越えた宝ヶ池や、上賀茂神社近くの鴨川には黄菖蒲が咲き始めています。こちらは杜若に似た黄色い花ですが、菖蒲です。これからますます花数は増えて行くでしょう。美しい花とは裏腹に外来種で「要注意外来生物」に指定され、近年その増殖が問題になっています。同じ花でもかたや大切にされ、かたや疎まれることもある。なかなか複雑です。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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