皐月咲く詩仙堂


日曜日に洛北・詩仙堂へと足を延ばしてきました。境内の皐月(サツキ)はまだ見頃で迎えてくれました。

関西は8日に梅雨入りとなりました。ブログの中断中でフォローができませんでしたが、最速で可能性を見込んでいた2日からは遅れ、台風が過ぎ去ってからの梅雨入り。一方で、梅雨入り後はすぐに晴れが2日続き、やはり季節に境目を付けることの難しさを感じます。梅雨は、北にある初夏の空気と南にある真夏の空気とのせめぎ合いで起こります。「戦(いくさ)」の筋書きは「必ず南の真夏の空気が勝つ(=梅雨明け)」と決まっていますが、そこに至るまでの過程で毎年のように豪雨を降らせ、死者が出てしまいます。梅雨入り宣言の価値は季節感を伝えることではなく「人が亡くなるほどの大雨や洪水が起こる時期」と告げることにあるのかもしれません。これから10月下旬までの台風シーズンが終わるまで、およそ5か月間。どうか今年は大きな災害が起こりませんようにと願うばかりです。皆様も特にこれからの時期は気象情報にご注意ください。

さて、そんな梅雨の晴れ間となった日曜日。詩仙堂では皐月が美しく咲いて、お庭を眺める室内はまさに別空間でした。久々に「京都」を巡って感じるのは、やはり「すごい!」という思い。四季折々、春夏秋冬に「今日行くならばココ」と見込んで訪れるのですが、バシッと期待を裏切らない素晴らしい光景で迎えてくれると気持ちも高ぶります。皐月やツツジの木は普段は花が咲くとは思えないような緑の刈り込みですが、一年の中でもほんの短い間、こうして風景に鮮やかな彩りを添えてくれます。

詩仙堂は「凹凸窩(おうとつか)」とも呼ばれ、高低差のあるお庭の作りが特徴。皐月の刈り込みの奥にある少し低い場所にもお庭が広がっていて、「ししおどし」も置かれています。室内には少し遠くから聞こえる水の流れやししおどしの音が響き、時間がゆったりと流れているかのよう。じっと座って贅沢な時間を過ごされているかたが何名もいらっしゃいました。縁側に座ってもよし、奥から眺めてもよし。ただし、残念ながら寝転ぶのは禁止ですのでご注意ください(笑)なお、人が写っていないこの写真。詩仙堂は一乗寺界隈では1・2を争う有名な場所ですので、なかなか撮るのは至難の技です。今回は拝観終了時刻の間際に行き、運よく人の流れが途切れて撮ることが出来ました。

詩仙堂には歩いて楽しめるお庭もあります。歩くお庭では池のそばに京鹿子(きょうがのこ)が紅色の花を咲かせていました。名前の由来は、京都の伝統工芸品「京鹿の子絞(きょうかのこしぼり)」の模様と花が似ているところから。工芸の方の「鹿の子」の名は、絞りの模様が小鹿の斑点に似ているために名付けられています。ふんわりとしたその花は優しい印象を与えてくれ、気持ちも和むことでしょう。

これからの梅雨の時期、雨ならでは京都の楽しみ方があります。石畳は輝き、木々や苔の緑は映え、雨は心地よい音を響かせ、おまけに人が少ない。詩仙堂やその近くの圓光寺などは、まさに梅雨の時期にじっくりと座ってお庭を眺められる場所として、とってもお勧めです。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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