台風4号と京都


台風4号は、昨日の予報円の中心とは異なり、南寄りの和歌山県から東海地方へと向かいました。京都ではこの時間、既にピークを越えています。

進路が変わって、京都の予報シナリオも大きく変化しました。台風の進路予想は、少しの中心位置の違いで影響が大きく異なるため、その伝え方はなかなか難しいものがあります。台風はテーブルの上に紙を置いて回すコマに似ています。紙は陸地、紙以外のテーブルは海だと考えて下さい。回転するコマは、紙の上にはすんなりとは乗らず、紙を避けるように動きます。つまり台風も陸地を避けようとする傾向があって、海峡や湾、半島を回り込むような動きをします。これが直前まで台風の上陸位置がつかみづらい理由の一つ。そのため、ある程度広範囲に注意喚起を行うのが伝え方のセオリーとなります。

台風は17時過ぎに和歌山県南部に上陸しました。最も近い気象官署・潮岬では17時の気圧が966.2hPaまで下がり、中心気圧の推定965hPaはほぼ正確であることがわかります。台風の中心には、風の回転の中心、最も気圧が低い中心、気象庁の中心、の3つがあると関係者の間ではいわれます。台風が山岳部を進む場合は気圧の低い部分が分裂して不明瞭になることもあり、台風の中心位置の決定は難しいものがあります。また、台風が温帯低気圧に変わったとされるタイミングや、暴風域の解析についても諸々の議論がある部分。大きく見える暴風域が突然消滅するのには、違和感を持たれる方も多いでしょう。このように台風は純粋に気象学的な話ではない、人間が頭を悩ませて判断をしているところも大いにあります。

さて、京都市街地は夕方が最も風や雨が強かったものの、18時過ぎには峠を越えました。が、19時前の報道では「引き続きこれからも雨と風に注意を」と呼びかけていました。それがセオリーではありますが、ここでも伝え方が難しい。現実には、やはり19時08分に京都では大雨・洪水・暴風警報は解除されました。京都では16時台が最も風が強く、平均風速9.4m/s、最大瞬間風速18.7m/sを記録しています。ちょうどその時間帯に撮ってきた映像がありますので、以下ご覧ください。台風は足早に過ぎ去っていきますが、台風一過の晴天とはならない見込みです。明日以降も雨には十分ご注意ください。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

「台風4号と京都」への2件のフィードバック

  1. 京都旅屋さん、こんにちは。
    台風が通り過ぎほっとしているところです。
    紙とコマの話、興味深く読ませていただきました。
    さっそく、日本列島を紙で切り抜き コマを回してみました。
    コマの台風は 紙の上で回るのをさけるように 
    海岸沿いをぐるぐる・・・
    台風の上陸位置の予想が難しいのに「納得!!」です。

    1. さくらさん
      コメントありがとうございます。
      試されたのですね!
      台風が陸地を避けるというのは、まるで意思があるようで、
      初めて知った時は不思議に感じました(笑)
      陸地で跳ね返ってくれたらよいのですが、それでも上陸するのは、
      高気圧に動きを制限されたり、上空の風の流れで勢いがついて
      そこにしか行き場がなくなるからですね。
      意思があるように見えて、実は周りに流されているのが「台風」です。

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