祇園祭の宵々山 京都の大雨と梅雨明けの可能性


祇園祭宵々山を迎え、大いに賑わっている京都の街。今日は気温が上がり真夏の暑さとなりました。また、早朝には北部や西部で豪雨となり、鴨川も激しく増水しました。

今度は京都が大雨被害に見舞われました。明け方に北区や西京区ではレーダー解析で90mm/hの猛烈な雨が降り、衣笠では紙屋川が溢れて2階まで浸水した家屋も出てしまいました。今回溢れた付近には市街地では有数の大きさを持つ砂防堰堤もあり、すなわち浸水被害に遭いやすい地域です。亀岡市でも浸水被害に見舞われ、トロッコ列車は土砂崩れで運休。祇園祭と連休で集客も見込める時期だけに、大きな痛手となりました。

鴨川も増水し、普段カップルが等間隔で座ることで知られる高水敷という部分にまで一時は激しく水が流れ下りました。午後に私が訪れた時には、流れ着いた流木が掃除をされている最中で、洪水の爪痕がはっきりと残されていました。今回の局所的な豪雨も昨日記載した「線状につらなる雨雲」によってもたらされました。鴨川は勾配が急な河川のため、水位の上昇も速い川です。昼間に上流部で突発的な豪雨が発生すれば、下流では見る見るうちに水位が上がって思いがけない危険にさらされる可能性もあります。

こうした、雨の危険はいつまで続くか。実は予定通り太平洋高気圧の勢力が強まってきて東から日本付近を覆い、近畿では梅雨明けが16日にも発表される可能性があります。ただ、気になるのは南海上の熱帯低気圧。今後台風に発達し、北西(九州方面)へと向かう見込みです。そのため、西へ行くほど気象台が梅雨明け宣言をためらうと見込まれます。

梅雨明けは気象台が判断するものですので、その予想には単に気象解析を踏まえるだけでなく、気象台の思考を読む必要があります。そこで注目するのは週間天気予報。15日発表の週間予報では近畿では19日を除き、明日以降、晴れマークが並んでいます。つまり、16日にも梅雨明けをさせる可能性を含んでいいます。一方、九州や四国では19日~20日まで曇りや雨の予報で、まだ目先は梅雨明けはさせないことを示唆しています。近隣の地域を見ると、東海は16日が曇りの予報、関東は梅雨前線ではないものの不安定性降水での雨マークがついていて、地域ごとの整合性を考えると、16日に梅雨明けさせるかは微妙ですが、晴れ方次第ではあり得るでしょう。いずれにしても気温が上がって、明日は35℃以上の猛暑日となるところも出てくる見込みです。京都でも、今日15日は34.8℃まで気温が上がり、明日も予想最高気温は35℃!日中に祇園祭へ出かける方は、帽子や扇子・団扇・水分補給と、熱中症対策を十分にとってお出かけ下さい。

さて、15日夜には八坂神社で宵宮祭が行われ、ご神霊が神輿に遷されました。境内の灯りが全て消される中で行われ、祇園祭は「夜の祭り」であることを印象付けます。いよいよ17日の山鉾巡行の日の夜に、祭りの真のメイン行事である神幸祭が行われます。

一方、やはり賑やかなのは宵山の山鉾町。宵山での主役の一人は子どもたちだと思います。人気のある鉾などはご利益グッズの完売も稀ではありませんが、残念ながら小さな山ではあまり売れ行きが良くない時間帯もあります。そんな中でも一生懸命に頑張っている可愛いらしい売り子さんたちに「粽どうですか~!手ぬぐいどうですか~!」と言われてしまうと、何か買わずにはいられません(笑)というわけで、今回も多くの山鉾で祇園祭グッズを買ってきました。昨年のように皆様にプレゼントさせていただく予定ですので、お楽しみに。こうして少しでもお祭りに貢献できれば幸いです。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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