清水寺 青龍会 2012年秋


この連休も京都はたくさんの観光客でにぎわいました。今回は16日に見てきた清水寺青龍会(せいりゅうえ)の様子をお届けします。

本日(17日)は「まいまい京都」さんの散策で、平家の本拠地・六波羅を巡りました。お越し頂いた皆様、まいまい京都さん、ありがとうございました。まいまい京都さんの紹介でMBSの夕方のニュース「VOICE」の取材が入り、私がガイドをしている場面が、明日18日の18時45分前後で放送される予定です。よろしければご覧ください。また、まいまい京都さんでは、10月18日(木)の午前中に「気象予報士と歩く京都の災害史」と題した散策を行います。気象予報士の視点からも過去の災害について解説します。

さて、今日も日中は真夏の日差しが降り注ぎ、京都の気温は34.3℃まで上がりました。この気温は今の時期としてはかなり高いのですが、今日こそは「真夏最後の日」となりそうです。この後、ゆっくりと空気が入れ替わって雨を降らせ、「秋」がやってきます。もう来年まで今日の気温を超える日はやって来ないでしょう。今週後半には空気の質が明らかに変わってきます。しかしこの真夏が最後にもたらす雨がやっかいで、局地的に激しく降る可能性をはらんでいます。山沿いでは雨の降り方にご注意ください。それにしても、毎日毎日暑かった真夏が、わずか2日でほどで終わっていきます。人生の栄枯盛衰も意外と天気の移ろいに似ているかもしれません。

清水寺の青龍会は、2000年に始まった比較的新しい行事で、清水寺門前会の皆様によって奉納されています。風水思想では東方の清らかな水がある場所は「青龍」の地とされ、清らかな水が涌きあふれる清水寺の音羽の滝には、観音の化身である龍が夜ごと飛来して水を飲むといい伝えられています。また、奥の院の南端には夜叉神堂があって、縁結びの観音に対して人々の悪縁を断つ(+良縁を結びなおす)として信仰を集めていました。すなわち青龍の地の清水寺で、音羽の滝の龍の故事と夜叉神への畏怖の念が結びついて、人々の安寧を祈願する青龍会(せいりゅうえ)が始まりました。以上は、清水寺門前会のホームページを参考に記載しています。

青龍会は本来は奥の院から始まりますが、現在は修復中のため、今回は本堂前から始まります。まずは法螺貝を吹いて先触れを行う「転法衆」が入り、続いて鎧姿の「四天王」らが順次入って本堂で法要が始まると、いよいよ青龍が登場します。操っている方々の表情は真剣そのもの。連携も見事です。法螺貝や「南無観世音菩薩」の掛け声が本堂に響き渡り、厳かな雰囲気に包まれました。やがて本堂を経た一行は、地主神社へと行き、続いて階段を下りて音羽の滝へ。音羽の滝の前では、故事にちなんで龍が水を飲むしぐさを見せます。行事を知らずに来た観光客は、突然の龍の登場に驚いている様子です。一行はそこから本堂の下を歩き、階段を上って三重塔方面へと進んでいきました。

青龍会の見せ場は、やはり普段は閉ざされている西門(さいもん)から下りてくる場面。西門付近は清水寺の中でも眺めのよい場所で、かなり急な階段があります。普段は通ることが出来ないこの門を、独特の衣装を来た一行が下りてくる場面は青龍会のポスターにもなっています。私が一行を先回りして西門下へ到着すると、既に人垣が出来ていました。しばらく待つと、下りてくる一行。やはりこの階段は絵になります。順番に階段に整列すると最後に龍が下り、一番のシャッターチャンスを迎えます。

青龍会では仮面をつけた「夜叉神」が、幸福・厄除・招福を祈る観音加持を行います。具体的には「八功徳水」の法水を振りまき、一人一人の幸せを祈念してくれます。西門を下りた一行は、清水寺門前広がる商店街へと向かい、龍はところどころで勢いよく店に入って、厄除け招福を祈願していました。

やがて戻ってきた一行は仁王門を経て、本堂へと戻り再び法要を行って終了となります。今年はまだまだ暑い中、お疲れ様でした。予め青龍会があることを知っている観光客は総数で見ると少なく、多くは突然現れた龍に驚き、見られて運が良かったという声が聞こえてきました。この青龍会は、毎年3月14・15日、4月3日、9月14・15日のそれぞれ午後2時より行われています。門前会の皆様の気合みなぎる表情や統制のとれた所作も含め、一見の価値がある行事。動画もありますので、よければご覧下さい。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

「清水寺 青龍会 2012年秋」への2件のフィードバック

  1. 京都旅屋さん、こんにちは!
    青龍会の動画を楽しませていただきました。
    西門から降りてくる龍の姿、みごとです。
    自分の目でみてみたくなりました。

    1. さくらさん
      コメントありがとうございます。
      青龍会は地元の皆様によって支えられている行事ですね!
      気迫を感じますので、是非ご覧になってみて下さい。

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