伏見祭 花傘総参宮


10月6日に行われた伏見祭こと、御香宮神社の神幸祭のハイライト花傘総参宮を見てきました。

伏見祭は洛南最大の祭りともいわれ、花傘総参宮はそれぞれの氏子町から花傘や神輿などを持って御香宮神社に出向き、お参りをする行事です。今年の花傘の参宮は9月26日と10月6日の二回あり、その数の多さにまず驚かされます。約20の町内が、それぞれに花傘を掲げ、伏見のメインストリート大手筋には威勢の良い掛け声が響き渡っていました。

花傘の参宮は室町時代からの歴史を持ち、実際にその記録が残されています。現在の花傘も当時からの風流傘の形体を伝え、祇園祭の綾傘鉾や四条傘鉾と類似のものです。祇園祭では台車に乗って移動をしますが、伏見祭では人が持って激しく上下に傘を揺らしながら歩きます。この持ち方は剣鉾と同様に腰の部分にあてがう形が多く、剣鉾も傘鉾も花傘も類似のルーツを持っていることがよくわかりますね。

こうした「鉾」や「傘」は疫神を集めて払ったり、あるいは除けたりする厄除けの意味合いがあり、氏子の各町内ごとに意趣をこらして作りあげるものです。祇園祭では、財力のある町衆が他の町内には負けじと競い合うことで立派な山鉾へと進化しましたが、この伏見祭でも同様に、各町内が競いあうことで様々な形や大きさの花傘がそろうようになりました。伏見祭の花傘総参宮は、翌日に行われる神輿巡幸のお迎え提灯の意味合いもあります。町内ごとの小規模の神輿もあり、町内の結束を確かめ合うかのように、非常に元気よく威勢よく、一行はまとまりがある感じがしました。この熱気は、京都の数ある祭りの中でも特に熱いものがありますよ。機会がありましたら、是非ご覧になってみて下さい。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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