朝日に輝く二尊院・常寂光寺の紅葉


今シーズンの紅葉記事の最後は、二尊院常寂光寺の紅葉です。

今年は紅葉の色づきが早く、既に散り果てのところがほとんどですが、それでもやっぱり京都の紅葉を見たいという方は、八坂神社の南門を入ったところや高台寺の台所坂ではまだ色づいた状態で見ることができます。恐らく、下鴨神社もまだ見られるのではないでしょうか。季節はすでに秋から冬へと移り、比叡山が雪化粧する日も増えてきました。

さて、嵯峨野にある二尊院は今年の「そうだ京都、行こう。」の秋のキャンペーンで紹介されたお寺です。参道は「紅葉の馬場」と呼ばれる紅葉の並木道。薬医門の前や白壁沿いの紅葉も見事で、ポスターやテレビCMでも紹介されていました。このポスターなどはかなり手間をかけて撮影することで知られ、実際にポスターと全く同一の景色はどうやっても見ることができない時もあります。

ただ、それを差し引いても、二尊院は十分に美しい光景に出会えるのは確かで、嵯峨野の紅葉の名所として上位に名前が挙がる場所です。今年は朝8時半からの早朝参拝も行われ、私も紅葉真っ盛りの11月25日の朝8時台には二尊院に入りましたが、「そうだ京都、行こう。」効果で朝からすごい人でした。嵐山や嵯峨野は朝日を浴びる午前中いっぱいが特に美しい時間帯で、紅葉時期は多少早起きをしてでも午前中に見に行かれるとよいでしょう。

二尊院にほど近い常寂光寺も、嵯峨野エリア有数の紅葉の名所です。境内が赤や黄色の楓に包まれる様子はまさに「紅葉の森」といった様子です。高低差のある境内を上へと登れば京都の街を見下ろすこともできます。京都の楓はイロハモミジに代表されるように葉が小さいと言われますが、常寂光寺に来るとそうとも限らないなと強く思わされます。日本の楓の種類は数十種類を数えますので、葉の大きなものや色づきが違うものも混ざり合って、この京都の美しい紅葉を作っているのだと思います。

常寂光寺も紅葉のピーク時には朝からすごい人出で、朝9時の開門前には長い行列が伸びるほどです。境内には道が狭い場所もあり、またその高低差ゆえ、足の悪い方にはおススメをしないお寺でもあります。なかなかポスターのように人がいなくて静かな「京都」はないのかと思いきや、実はそうではなく、京都にはまだまだ落ち着いて京都らしさを感じられる場所も残されています。

さて、長らくブログでご紹介してきた京都の紅葉。ひとまず今回で終了です。また近日中に、今年眺めてきた美しい京都の紅葉風景を集めた総集編を作りたいと思います。この紅葉シーズンも、心から感動できる光景に何度も出会いました。同じ場所でも、色づき具合やその日の天気、光の当たり具合などで全く印象が異なります。京都はこの先も多くの方を飽きさせることなく、魅了し続けてくれるのでしょう。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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