宇治川しだれのライトアップと月


先日(28日)、宇治川の中ノ島に咲く宇治川しだれのライトアップを見てきました。ちょうど月が昇り、桜と月が美しい共演を見せてくれました。

本日(30日)、京都地方気象台からソメイヨシノの満開が発表されました。各地で桜は見ごろを迎え、有名観光スポットを中心に多くの方で賑わっています。お出かけには天気も気になりますが、春の天気は日替わりするのも通例で、30日はよく晴れたものの、早くも31日は天気が崩れます。ただその崩れは小さく、1日は再びよく晴れる予報。しかし2日はしっかりと雨が降るため、早咲き桜の多くは恐らくこの雨で終了となる見込みです。ソメイヨシノは2日の雨を耐え抜いて、4月1週目にかけて見頃が続くでしょう。

今日は、らくたびさん主催の散策で、出町柳界隈から京都御苑の桜を巡って来ました。多くの方にご参加頂きまして、本当にありがとうございました。近衛邸跡も本満寺も、早咲き枝垂れ桜は風が吹くと花びらが舞い、とても美しい光景に出会うことができました。らくたびさんでは、今日から17日間連続で「とっておきの桜さんぽ」が行われ、私もそのうち4コースを担当します。次回は4月3日の嵐山。こちらも桜は最高の状態で巡って来そうで、天気も今のところ回復の流れに当たり、今日以上に素晴らしい光景に出会えるかもしれません。私も楽しみにしている散策です。まだまだ各コースの申込を受付中ですので、お気軽にご参加ください!

さて、宇治川に咲く「宇治川しだれ」です。宇治の宇治川一帯もソメイヨシノを中心とする桜の名所として知られますが、今年は中ノ島の護岸工事によって島のソメイヨシノが軒並み伐られて、桜の様子が大きく変わってしまいました。防災上のこととはいえ、素直に残念にも思います。中ノ島のうち橘島に咲く早咲きの枝垂れ桜が「宇治川しだれ」と呼ばれており、開花期間中ライトアップが行われています。

周りの桜が伐られてしまったため、今年は孤高の桜として一生懸命に咲いてくれているようです。実は、今年は宇治の観光が大変苦しく、平等院は来年3月まで修復に入っていて鳳凰堂は見ることができず、世界遺産の宇治上神社も拝殿が修復工事に入りました。中ノ島の桜も伐られ、まさに「三重苦」という厳しさです。

私は学生時代に2年ほど宇治に住んでいたこともあり、何か宇治の魅力をご紹介できればと考えながら、今回の「宇治川しだれ」と月の写真を撮りに行こうと思いたった次第です。本当は27日の満月を狙っていましたが、残念ながら雲に覆われてしまいましたので、翌日の28日の空の様子を見ながら行って来ました。実は28日も当初は月は難しいかと思っていたので、見ることができてラッキーでした。

夜の「宇治川しだれ」は、あえて行くつもりでないと行かない場所にある桜です。その分、まだまだ紹介される頻度の少ない桜ではないかと思います。この日も、月と桜が合わさるたいへん美しい風景だったにもかかわらず、見に来られているのは数組だけでした。しかし桜と月は本当に見事です。この時期の月は1日遅くなると1時間も昇る時間が遅くなり、ライトアップの時間と翌日の天気を考えれば、この日しかチャンスはなかったかもしれません。

写真はあえて青白く写るように撮ってみました。夜桜の写真は、ホワイトバランスなどカメラの腕や好みの差が如実に出ると思いますが、私の拙い技術では、なかなか難しいですね(苦笑) 京都の魅力を伝えるための手段として、もっと技術を勉強しておきたいと思います。

さて、宇治川しだれの他にも、県(あがた)神社に早咲き桜が咲いています。その名も「木の花桜」。ご祭神のコノハナサクヤビメは、サクヤビメとも呼ばれ、サクヤの名がサクラの語源にも繋がっていったとされる神です。まさに桜にふさわしい神社と言えるでしょう。宇治川しだれも、県神社の木の花桜も早咲き桜ですので、見られるのは恐らく1日まででしょう。宇治も川沿いのソメイヨシノは健在ですし、是非足を延ばして頂いてご覧になってみて下さい。

お知らせ

桜を巡る散策を「らくたび」さん主催で行います。詳細はこちらをご覧ください。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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