疏水の夜桜と十石船

岡崎 桜ライトアップ
先日、琵琶湖疏水沿いの桜ライトアップと、十石船に乗って来ました。

桜が散った疏水 4月7日6日・7日の嵐で、京都のソメイヨシノもずいぶんと散ってしまいました。しっかりした雨も降ったため、川や池を桜の花びらで染める間もなく流れ去ってしまったところも多いようです。岡崎の疏水沿いもかなり散っていて、例年このくらいまで散ると夷川ダムの船溜まりは桜の花びらに覆われて美しいのですが、今日行ってみるとほとんど花びらは残っていませんでした。そのかわり、歩道はピンクに染まっていました。

琵琶湖疏水を進む岡崎には今年も十石船が登場し、人気を博しています。京都は内陸都市ですので、船に乗るというイメージがないぶん、意外性があって喜ばれているよう。この船は正式には「岡崎桜回廊十石船巡り」と称し、2004年から運行されています。南禅寺舟溜り乗船場を出発して夷川ダムまでの往復3kmを約25分かけて往復します。私も5年前に一度、昼間に乗船したことがありますが、楽しかったことを覚えています。疏水にもいくつか橋がかかっているため、橋の下を眺めるのも、普段は経験しませんね。

十石船からの眺め十石船は、昨年から夜桜運行も行っています。疏水沿いの桜はライトアップされ、夜桜を眺めながら船旅を楽しめます。この疏水の桜のライトアップも大変綺麗で、疏水に映りこんだ桜も幻想的。数年もすれば、京都でも人気の夜桜スポットとして認知されてくるに違いありません。ライトアップは4月21日まで、夜の21時半まで行われています。

十石船 夜桜運行さて、今回はもちろん夜の十石船に乗って来ました。桜が満開の時期の十石船はたいへんな人気で、普通に夜行っていてはチケットを取ることはできません。チケットは、当日の午前9時(繁忙期は8時半)から先着順での販売となり、夜までの時間指定ができます。そこで今回は、午前中のうちに南禅寺船溜まりの受付まで行き、夜のチケットを手に入れておきました。事前予約は出来ませんので、確実に乗るにはこの方法がよいでしょう。

十石船からの夜桜私はこの日の最終便(20時半発)に乗船しました。やはり定員は満員で、キャンセル待ちの方もおられるほどでした(その方は乗れなかったようです)。船は夷川ダムに向かって疏水を進んで行きます。桜のライトアップは、実は疏水の流れている方向に向かって右側のみ(北側及び東側のみ)ですので、輝く桜が見られるのは、行きか帰りのどちらかだけとなります。ライトアップされていない方は、街灯によってライトアップっぽくなっているところもあります。

橋の下もくぐる橋の下をくぐるのも、岡崎十石船の楽しみの一つでしょうか。2つ低い橋があり、その時は可動式の屋根が目いっぱいまで下がります。ただ、多少視界が狭くなる程度で圧迫感を感じることはありませんでした。船にはガイドさんが乗られており、疏水の歴史や見えてくる建物などを解説してくれます。

美しいライトアップゆったりと船旅を楽しめる十石船。桜が満開の時期は本当に綺麗です。今年は5月6日まで運行が行われており、新緑の時期まで楽しむことができます。夜の運行も4月21日まで行われています。桜が終わればずいぶんと空いてくると思います。夜の運行の注意点は、寒いこと。暖かい服装でお出かけ下さい。また、夜桜運行では、写真を撮るのは非常に難しいです。暗い上に船は動いていますので、よほどISO感度を上げてシャッタースピードを遅くするなど、多少なりともカメラ知識がないと、まず撮影が不可能です。動画ならば撮影可能です。また、昼夜共通ですが、疏水には多少臭いがあります。苦手な方は苦手かと思いますので、ご留意頂くとよいでしょう。

お知らせ

桜を巡る散策を「らくたび」さん主催で行います。詳細はこちらをご覧ください。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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