下鴨神社 夏越神事(矢取り神事) 2013年

下鴨神社 夏越神事(矢取り神事)
8月6日に、下鴨神社夏越神事が行われました。矢に見立てた斎串(いぐし)を激しくを奪い合う様子から矢取り神事とも呼ばれています。

下鴨神社 楼門下鴨神社の夏越神事は、立秋の前日に行われる行事で、御手洗(みたらし)池の中に立てられた矢に見立てた斎串(いぐし)を、裸の男たちが一斉に奪い、無病息災を祈願する行事です。楼門では茅の輪くぐりも行われています。矢を取りあうのは、下鴨神社の御祭神、玉依媛命(たまよりひめのみこと)が川遊びをしていると、一本の矢が流れ着き、持ち帰ったところ懐妊して、賀茂別雷大神(かもわけいかづちのおおかみ)を生んだという故事にちなんでいます。

下鴨神社 夏越神事(矢取り神事)御手洗池の中に立てられた斎串は50本あり、円形に並べられています。この御手洗池では、7月に御手洗祭が行われて大いに賑わっていました。この夏越神事で斎串を奪い合う場面は一瞬で終わりますが、その短い時間の勇壮さをみようと、この日も多くの方が来られていました。見学用の席が設けられていますので、18時頃に行けば座ることはできるでしょう。

下鴨神社 夏越神事(矢取り神事)神事は19時から始まり、神職らに続いて50名ほどの裸男たちが御手洗池の周りに並びます。大祓詞(おほはらえのことば)が読み上げられるなど、清めの神事が終わると、奉納された人形(ひとがた)が入った箱を持った神職が池の周りに並び、合図で一斉に裸男たちが池に入って斎串を奪い合います。この時、神職は人形を撒き、あるいは水を裸男にかけて、異様な盛り上がりを見せます。そして数十秒で斎串は裸男たちの手に渡り、神事は終了します。

下鴨神社 夏越神事(矢取り神事)私は動画を中心に撮るつもりでしたが、欲張って写真も撮ってみたところ見事にピンボケでした(苦笑)なかなか一人では両方撮るのは難しいですね。京都でも有数の短い時間で終わってしまう行事です。最後に神職や裸男たちは楼門の茅の輪をくぐって帰って行かれました。激しい奪い合いの様子は、動画でご覧ください。

上賀茂神社 ならの小川余談ですが、ちょうど今年は8月6日が旧暦の6月30日でした。昔は、この日に夏越祓が行われ、茅の輪くぐりなどが行われていました。先日、上賀茂神社へと訪れた際「ならの小川」の風景を見ながら、百人一首に載る「風そよぐ ならの小川の夕暮れは 禊ぞ夏のしるしなりける」の歌を思い出しました。まさにこの時期の空気感が、和歌の世界と重なります。7日は立秋。今年は立秋以後の方が厳しい暑さとなっていますが、蝉の鳴く時間が短くなるなど、ほのかな「秋の気配」も見え始めています。体調を崩されぬよう、暑い時期を乗り切っていきましょう。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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