2013年「今年の漢字」 発表の現場

2013年 今年の漢字
12日に、清水寺で今年の漢字が発表されました。今年の漢字は「輪」です。

2013年 今年の漢字日本漢字能力検定協会が発表する「今年の漢字」は、その年の世相を表すとして日本中が注目する恒例行事。毎年、清水寺の本堂にて貫主の森清範(せいはん)氏によって墨で描かれる場面が報道されています。今までは、13日以後の展示は何度も見たことがありましたが、発表の現場にいたことがなかったので、12日に清水寺を訪れてみました。

2013年 今年の漢字 発表に集まる報道陣残念ながら、「今年の漢字」の発表は、報道陣のみを対象としていて一般観光客は見学することが不可となっています。当日、正午からは清水の舞台のほとんどが報道陣のためのスペースとなり、一般観光客には通り抜け用の通路しか残されていません。つまり、舞台からの素晴らしい眺めを見ることができなくなっています。また、警備員も配置され「立ち止まる」とすぐに注意をされます。舞台横の回廊は、通行人の邪魔にならない範囲で、かろうじて立っていることが黙認されていましたが、何も知らずに訪れている観光客の中には「舞台が見れないのですね・・・」と残念そうに帰って行かれる方もおられました。

2013年 今年の漢字 奥の院前も報道陣の場所また、本堂の舞台を望むベストスポットでもある奥の院前も、報道陣のみに限られていて、一般客はこちらほうこそ完全に止まることは許されていませんでした。直接舞台も見れず、京都を代表する本堂の風景も望めないというのは、観光客にとってはあまりに残念なことでしょう。かたや、報道陣への対応は厚く、漢字の発表とともにすぐに原稿を会社に送れるように、パソコンを置く机が用意され、その机には今年の漢字が描かれる様子が分かるように、カメラの映像が映し出されていました。

2013年 今年の漢字 発表後原稿を作る報道陣「今年の漢字」が発表される瞬間は、当然報道陣が周りを3重・4重に囲んでいますので、一般観光客は描かれる様子を垣間見ることも難しいです。報道陣向けの説明はあっても、現地にいる一般観光客向けの説明はありません。また、揮毫が終わると、字は舞台へと移されて法要が行われます。報道陣への説明を聞いたところによると、本尊の観世音菩薩に報告をするためなのだとか。こちらも報道陣のみの公開で、一般観光客は人の圧力の中、移動をしながら運よく見れるかどうかです。

2013年 今年の漢字 法要その後、再び字は舞台に戻されて記者会見が行われ、報道陣の自由撮影の後、一般観光客に披露する時間は全くとられることなく、本堂の中へと片付けられて行ってしまいました。本堂での公開は13日~ですので、12日当日は一切、一般向けには見せないということなのでしょう。もしかすると、片付けたのではなく、何か宗教的な意味があるのかもしれませんが、それも説明がありませんので不明です。ということで、12日に清水寺へ行っても発表の場面は見られず、観光的な意味では、舞台が望めない12時~15時半の間は、むしろ訪れない方がよいでしょう。

2013年 今年の漢字 12日は一般公開はないそれにしても、果たして「今年の漢字」を清水寺で発表する必要性はどこにあるのでしょう。遠方から京都に来て下さったにも関わらず、舞台からの眺めを見れずに残念な思いで帰って行かれる観光客を見て、疑問を感じずにはいられませんでした。現地にいる”少数”の観光客よりも、報道陣を通して全国の絶対多数の人への対応を重視しているのやもしれませんが、清水寺にこだわるのならば、人の少ない朝や、いっそ特別にライトアップでもして、観光客の入らない夜に行ってもよいのではと思います。

2013年 今年の漢字 13日~31日正午まで公開なお、報道の通り、今年の漢字は「輪」でした。東京五輪の招致や、災害への支援の輪、野球では楽天の初優勝やサッカーのワールドカップ出場など、輪になって喜べる機会が多かったことによるようです。「今年の漢字」は一般投票で決まっていますが、今年は接戦でした。それだけ決め手に欠いたのでしょう。ちなみに「今年の漢字」は、同じ漢字が再度選ばれることもありますので、もしかすると東京オリンピック開催の年にもう一度お目にかかる可能性もあるのではと感じました。清水寺の本堂では、31日正午まで「輪」の漢字が公開されています。

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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