恵美須神社の十日えびす

恵美須神社 舞妓さんによる福笹授与
恵美須神社では、8日から12日に十日えびすが行われ、大勢の参拝者で賑わいました。

奉納されたマグロ京都の新年に欠かせないのが十日えびす。えびす信仰では、1月10日に「十日えびす」、10月20日に「二十日えびす」を行います。一説には、1月10日はえびす神が海にお帰りになる日で、旧暦の9月20日(現在は10月20日)はえびす神が再び海から帰って来る日とされていました。一方、江戸時代に全国を渡りながら商いをした、呉服商などの「渡り商い」の商人たちは、旧暦9月20日頃に京都に戻り、えびす神を祀って旅の無事と商売繁盛を祈願しました。

恵美須神社 夜通し賑わう商人たちは年末年始を京都で過ごして翌年の商いの準備を整え、1月の十日えびすに参拝をした後、再び全国へと旅立っていったそうです。つまり、もともとは京都独自の風習だったものが、渡り商いの商人たちによって、現在のような各地のえびす信仰に繋がっていったといいます(以上は、恵美須神社の資料を参照しました)。

恵美須神社 宝恵かご社参恵美須神社では、10日を中心に、8日から12日にかけて十日えびすが行われ、8日と9日には「宝恵かご」の社参が行われました。宝恵かごでの社参は、江戸時代に西陣や室町の呉服商問屋の旦那が、ひいきの芸者を連れて社参したことが起源とされ、昭和の初期には宮川町の花街有志によって再現されていましたが、籠のかき手の不足などで一時姿を消しました。しかし、その華やかさを惜しむ声が多く、昭和53年に東映映画村の協力によって復活され、現在に至っています。

恵美須神社 宝恵かご社参籠は、「宝恵かご ほい!」のかけ声勇ましく境内に入ってきます。8日・9日ともスケジュールでは10時からとなっていますが、10分~15分程前には境内に入ってくることもあれば、10時を過ぎてから来ることもあります。見逃したくない方は、早めに行く方がよいでしょう。籠には芸者姿の東映の女優さんが乗られていて、やはりお綺麗です。境内で参拝の後、福笹などの授与を受けます。

恵美須神社 舞妓さんによる福餅授与出発までしばらく境内にいてくれますので、その間はカメラに微笑んで下さったり、運が良ければ一緒に写真にも写ってくれます。その後、再び「宝恵かご ほい!」のかけ声で、境内から出ていかれますが、宝恵かごや役者さんは車に乗って移動をされていました。ただ、他のブログを見ると、京都の街の折々で練り歩き、笹を配っていきます。祇園や下河原、四条河原町や四条大宮にも出現しているようですので、運よく出会えることもあるかもしれませんね。

宮川町の舞妓さんによる福笹授与11日には、舞妓さんによる福笹の授与も行われました。14時~16時は祇園の舞妓さん、20時~22時は宮川町の舞妓さんが奉仕されます。担当の舞妓さんは年によって違いますが、今年は特に祇園の舞妓さんが美人で、大いに人気を集めていたように思います。また、舞妓さんからは福笹に加え、8日につかれた福餅も授与して頂けます。福笹につける縁起物は最初は一つからで、毎年増やしていくとよいそうです。商売は長く続けることが何より大切ということなのかもしれませんね。京都一の賑わいを誇る恵美須神社の十日えびす。機会がありましたら、観光の方もお気軽に覗いて頂いて、華やかな雰囲気を感じてみて下さい。

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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