14日の京都の雪。今回は醍醐寺の雪景色です。桜も紅葉も美しい醍醐寺の、これまた美しい雪景色をご覧ください。
伏見稲荷大社からは車で十条トンネルを抜けて山科へ出て、醍醐寺へ向かいました。通ったのは初めてでしたが、これはあっという間。時間勝負の日にはありがたい経路です。醍醐寺は世界遺産で、春の桜と五大力尊仁王会の時は大勢の人で賑わいますが、それ以外の時期は人が少ないです。雪の日も大変美しい光景ながら人は少なく、もったいないほどの風景を堪能することができました。
境内に入り、仁王門へと続く馬場は一面の雪景色。ここは子どもたちの通学路ともなっていて、滅多に振らない雪の道を元気に歩いて行く姿が印象的でした。小さい子どもたちにとっては、これほどの雪は人生初めてだったかもしれませんね。まず入った訪れたのは、伽藍エリア。仁王門をくぐると、23日に控えた五大力尊仁王会の色とりどりの旗がズラリと並んでいて、白い世界にはより鮮やかでした。
伽藍エリアにそびえるのは五重塔。京都府下最古の建造物で、平安時代の天暦5(951)年に建てられました。高さは約38mですが、屋根の上の相輪が約13mあり、安定感のある印象を与えてくれます。下醍醐は応仁の乱の兵火でこの五重塔を除いて全て焼失していて、塔という落雷にもあいやすい建物が千年以上を経た今も現存していることは、まさに奇跡としか言いようがありません。桜の時期は、五重塔と桜を一緒に写真に収めることもできますが、雪の日の佇まいもこれまた品がありました。この塔にとっては一体何度めの雪なのでしょうか。
塔から、さらに奥へと進むと弁天堂が見えてきます。こちらも醍醐寺を代表する風景で、特に秋の紅葉の美しさは抜群です。このブログでも昨年はライトアップの様子をご紹介しました。朱塗りの弁天堂もやはり雪の日は綺麗です。それにしても雪は「どっさり」と積もっていて、写真の見栄え的にはもう少し少ない方が綺麗ではと、贅沢な考えも出てきてしまいました(笑)いえ、もちろん目の前の光景は素晴らしいのですよ。
弁天堂の周りの雪景色を堪能したあとは、霊宝館が開いているかもと思い覗いてみると、開いていました。春よりは見られる場所は絞られているものの、お目当ての中庭の桜の雪景色は見られそう。ということで、こちらも迷わず入ります。霊宝館には、醍醐深雪(みゆき)桜と呼ばれる桜があり、恐らく京都最大の巨木です。樹齢はなんと180年。佇まいも美しく春には高い人気を誇る桜。文字通り「深い雪」が積もった姿は、それはもう一級品でした。桜が満開の日にも勝るとも劣らない素晴らしい眺めに、心から感動させてもらいました。
霊宝館には私たちの他に人は見当たらず、この光景を眺めた人はそれほど多くはないでしょう。貴重すぎる体験でした。さて、醍醐寺の雪景色もこれまで同様に写真と動画でお楽しみください。滅多に見られない風景ばかりです。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。