先日、ご案内で嵐山の天龍寺を訪れました。早咲き桜の開花はまだでしたが、足もとにはフキノトウが咲いていました。また、4月1日からは諸堂の参拝も再開されます。
嵐山の中でも最も人気を集めるお寺は天龍寺でしょう。曹源池(そうげんち)庭園は国の特別名勝で嵐山を借景とした雄大なお庭です。寺は、室町時代のはじめの暦応2(1339)年、後醍醐天皇の菩提を弔うために足利尊氏によって創建されました。曹源池庭園は、尊氏が帰依した禅僧・夢想疎石によって築かれたお庭。万物の根源は1滴の水であるという意味の禅の言葉「曹源一滴水」から、名がつけられました。という、うんちくはともかく、現地で眺めると自然の雄大さが際立ち、風光明媚な嵐山を象徴するかのようなお庭となっています。
実は曹源池には小川が流れ込んでいて、この小川のたもとを見ると、立派なフキノトウが出ていました。既に花を咲かせるほどに成長をしていて、春も深まってきていることを感じさせてくれます。すぐ近くには「つくし」も顔を出していました。つくしも春の象徴として人気があり、観光客の目を引いていました。
天龍寺の境内で後醍醐天皇を祭る多宝殿の周りには、吉野に南朝を開いた天皇を偲んで、吉野から移されたという桜がこれから花開いてきます。比較的早咲きのしだれ桜が多く植わって大変に美しく、桜の時期は特におススメです。私が訪れた日(23日)は、まだしだれ梅も咲いていました。天龍寺境内の奥の百花苑では、四季折々に様々な花を見ることができ、ピンクの濃いツツジの品種も咲いているものがありました。
そして4月1日からは、いよいよ諸堂(大方丈・書院・多宝殿)の参拝が再開します。これまで1年以上工事中で上がることができず、昨年は少し残念でしたが、1日以降は庭園の料金500円にプラス100円をするだけで諸堂参拝ができます。これは正直かなりお得ですので、忘れずに入ってみて下さい。小方丈からは座ってお庭を眺めることもできますし、廊下を通って多宝殿に上り、後醍醐天皇の木像をより近い場所で見られたり、桜も建物から観賞することができます。おススメですので、お時間に余裕を持って、ゆっくりと天龍寺の魅力を満喫してみて下さい。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。