祇園祭では山鉾行事が注目されますが、祭の本質は神が乗って街を巡行する神輿渡御にあります。祇園祭では17日に神幸祭、24日に還幸祭が行われました。
17日に前祭(さきまつり)の山鉾巡行が行われたあとの夕刻、八坂神社から3基の神輿が出て、氏子地域を進んで行きました。今年は八坂神社西楼門の石段下を見渡せる場所で眺めてきました。神幸祭も山鉾巡行に負けず劣らず多くの方が見に来られる行事です。まず騎馬武者や豊園泉正寺榊が進み、続いて神宝奉持列、さらに中御座神輿を先導する駒形稚児が進んで行きました。
そしていよいよ神輿が登場します。中御座、東御座、西御座とそれぞれが石段下で神輿振りを披露し、大いに盛り上がりを見せたあと、出発式が始まります。例年、京都府知事も来られるなど、祇園祭の大切な行事として行われます。神輿の担ぎ手たちは総勢1000名を超えるといわれ、石段下の東大路と四条通りの交差点が狭く思えるほどに集まる様子は祇園祭のハイライトの一つです。
今回は四条通にいたため、中御座と西御座の神輿が目の前を通って行きました。男たちの勇ましい姿は本当に迫力がありますね。西御座の神輿は花見小路に入って祇園を進んで行きますので、先回りして見てきました。芸舞妓さんも通りに出てきて神輿を見送る姿が印象的です。こうして氏子圏を勇壮に進み、17日深夜に四条寺町にある御旅所に入り、24日まで鎮座するのです。
四条寺町の御旅所では、18日から23日までお囃子のある山鉾町の持ち回りで夜に奉納囃子が行われていました。神輿に参拝や献灯をされる方も多くおられ、京都に根付いた信仰を感じることができる期間です。御旅所の場所が繁華街ですので、道行く人の目にも触れやすいですね。
そして24日の後祭(あとまつり)の山鉾巡行が行われた日の夕刻、御旅所から神輿が出て氏子地域を大周りで巡行をしながら、深夜に八坂神社へと戻っていきます。今年も、四条大宮で丹波八坂太鼓が中御座の神輿を迎える場面を見てきました。丹波八坂太鼓は、八坂神社の神田がある京丹波町尾長野の八坂神社に伝わる太鼓で、非常に迫力のある音と正確なリズムが魅力的です。こちらは動画でもご覧ください。
中御座神輿は、祇園祭発祥の地である神泉苑でも神仏習合の儀式を行い、途中数カ所で改めて丹波八坂太鼓に迎えられながら、八坂神社へと戻っていきます。深夜には境内の明かりが消されて本殿に神霊をお戻しする神遷しの神事もあり、今年も無事に神輿渡御が終了しました。28日には10日と同様に神輿洗いが行われ、その後、神輿ぐらに3基の神輿が仕舞われます。祇園祭は山鉾行事のみならず神輿の行事も見ごたえがありますので、機会がありましたらご覧になってみてください。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。